おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

K事例Ⅳ

【同友館ノウハウは要らない子】クラッチ・プレーヤー(Ⅳの勝負強い奴)

出典:HOOPS JAPAN BASKETBALL MEDIA

視聴率が命のアメリカプロスポーツは、最後に逆転しやすい仕掛けが豊富な。

そして今度は旅館オーナー夫妻ではなく、CMスポンサーが喜びます。

上記YouTubeでは、試合時間残り10秒で、BULLSがHORNETSを5点差から逆転
①まず3点シュート成功
②相手の持ち球を奪う
③あえて3点ラインの外に出て逆転シュート
なぜあえて3点ラインの外に?
それはクラッチ(危機的)な状況では、自分の得意パターンに体が勝手に動くからです(多分)。

そして、普段は決して目立たないけど、勝負強くていざの時の役に立つ奴。アメリカプロスポーツでは、彼をクラッチ・プレーヤーと呼び、称賛します。

クラッチ・プレーヤー(勝負強い奴)【バスケの残り10秒で5点を逆転】

最近の「Ⅳ」の題意は、計算練習ばっかしてんじゃねーよ

・受験技術が一巡し、「Ⅳ」出題は理論重視に。
・解き方だけを覚える、ふぞ+ベテは落とす。
・経営分析「だけ」しっかりやれば、60点超え。
・70点台後半以上は原則与えず、上値が重い。
・謎のポエムを出題し、「Ⅳ」計算偏重に警告。

そこで特に受験経験者は、ラスト2週で計算爆解き

・「Ⅳ」のエクセル対策は、今や常識中の常識。
・ラスト2週はエクセルを封じ、電卓で爆解き。
・体が計算慣れすると、本番で実力以上の点に。

そう。(経験者勢の)試験直前ラスト2週は、電卓パチパチ計算練習が超有効
そう安心して、10月上旬まではエクセル利用で、分析力とクラッチな勝負所の勘を磨く。

うん。260点まとめ派のあなたなら、ふぞベテのれんにここで差をつけます。

バスケ残り5秒で2点差。狙うのは同点ゴールか3点シュートの逆転か

H24「Ⅳ」で言えば、予想PL→CVP分析→経営分析と、順調に解ければ60点超え。
では次に、第1問(3)取替投資⇔第3問企業価値のどちらを先に解く?その選択眼で、今年の勝負強さが決まります。

そりゃ先に解くのは、ふぞベテのれんが苦手な「企業価値」一択な。

過去問の解き方を覚える=マイノウハウな、ふぞベテのれん。取替投資には一歩踏み入ると後に引けない、沼の様な難問が待っています。

H24第3問 企業価値 当時Dランク(現在はC)

稀出論点:企業価値とは
FCFをWACCで割れば、企業価値。「1次」で確かに習った筈なのに、H30第2問(3)企業価値の正答率はほぼゼロ%に。
その理由は、ふぞベテのれん=過去問の答えを覚えるノウハウ勉強法では、論点の違いが知識でつながっていないから。
設問解釈+計算過程
前述したように、オーナー夫妻には後継者がなく、親族にも経営を任せられる人材が見当たらないという。場合によっては、旅館の売却を伴う事業承継も視野に入れているといい、今年度の状況を前提とした具体的なケースについて説明を求められた。
(設問1)
承継先にかかわらず、売却価格の算定に際しては、客観的な数値が必要となる。そこで、今年度の財務諸表をもとに企業価値を求めることになった。①割引キャッシュフロー法を用いて、企業価値を求めよ(計算過程も明示すること。単位:千円、千円未満は四捨五入すること)。
ただし、算定にあたっては、②オーナー夫妻に対する給与 16,000 千円は不要となることが分かっている。また、③今後の株主資本コストを 5 %、平均的な負債資本コストを 4 %、税率は 40 %、キャッシュフローは今年度の水準が将来にわたって継続するものと仮定する。
(設問2)
事業承継を考える際、承継先としてどのような相手が考えられるか。また、その際の留意点について中小企業診断士の立場から 200 字以内で説明せよ。

準備① DCF法の企業価値計算

企業価値=FCF÷WACC
※準備②③から:26,906÷2.92%=(正解)921,438
※実務上は、定率成長モデル、継続価値など派生論点あり

準備② FCFの算定(公式利用)

FCF=営業利益×(1-税率)+減価償却費±運転資本増減ー設備投資額
FCF=2,510×0.6+25,400±0+0=26,906

準備③ WACCの算定

WACC=負債+自己資本コストの加重平均
WACC=2.92% ※計算はエクセル参照

結論だけ言えば、予想PLは無関係。企業価値&FCFの公式が浮かべば、この計算だけで+10点な。

その傍ら、FCFの公式=営業CF算出用と痛い勘違いをするのが、ふぞベテのれん。過去問の解き方を覚えるあの自称ノウハウは、今年も「Ⅳ」には通用しません。

H24第1問(3) 取替投資 Dランク

上級論点:取替投資とは
総額Cash Out/Inを使う新規投資と異なり、(同額原価を無視して)取替前後の差額CFで考えるのが取替投資。簿記1級でも難関ながら、診断士登録後に補助金を主食にするなら、マストの論点だ。
設問解釈+計算過程
この施設改修に関して、①正味現在価値法を用いてこの投資案を評価せよ(計算過程も明示すること)。ただし、②2 年目以降、10 年目まで年間宿泊者数は 18,000 名で推移すると見込まれている。また、税率 40 %、割引率 6 % とする。計算には下記の年金現価係数表を用いよ。なお、運転資本の増減はないと仮定する。

準備①NPV法→タイムテーブルを描く

1年目のCIF=37,322
2~10年目のCIF=46,176
→年金現価係数で割り引いたPV合計=331,515・・①
初年度のCOF=△180,000・・②
NPV(①-②)=151,515

ふぞベテのれんがチンプンカンプンの難論点=取替投資。それを、スッキリ高再現性にするのがエクセルの利点な。

準備②初年度、2~10年度の差額CIF

差額CIF=税前営業利益×(1ー税率)+減価償却費±運転資本の増減額
初年度=(18,730+13,490)×0.6+18,000=37,322
2~10年度=(33,470+13,490)×0.6+18,000=46,176

準備②で使うのは、なぜ(設問1)で求めた営業利益でなく、今年度の差額? その理由は、FCF⇔営業CFの違いが説明できないふぞベテのれんにゃ、言うだけムダです。

今日のまとめ

タネを明かすと、DCF法企業価値⇔NPV設備投資の考え方の基本は同じ
(共通点)当該年のFCF(※)を求め、WACCでPVに割り引く
(差異)DCFは企業全体、NPVは当該投資プロジェクト分

※NPVは、ファイナンスではなく、会計論点として作問するのが暗黙のルール。従い、「FCF」「営業CF」ではなく「税引後CF」と表現される。

ちな、H24第3問企業価値は、タネを明かすと易問。第1問(3)取替投資は予想PLが前提で、タネを知っても解けない難問な。

見慣れたNPVまっしぐらのふぞベテのれんを尻目に、DCF法企業価値を先に解いたか。それがクラッチ=勝負強さの違いです。

そして、「Ⅳ」対策がノウハウなんてトンデモを叫ぶのれんバトンに、差額CFなんて教えるだけムダ。ついでに埋没原価を理解できないベテに、意思決定会計は優しくない。

そこで土俵際に追いつめられた時の、逆転3点シュートを練習しておきたいあなたのために。明日はもしやの延長戦オーバータイムに備え、「Ⅳ」で使える「財務」過去問をタテ解きします。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

-K事例Ⅳ

PAGE TOP