おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

K事例Ⅳ

【基礎から理論でCVP】公式では解けないCVP

「CVPの公式」を覚えても、最近の「Ⅳ」には通用しない。

旧態依然なスクールのCVPの教え方といえば、いまだに公式の暗記一辺倒? いえ、公式の暗記一辺倒でCVPが解けた時代があったんです。

いやね、SBEPの実務上の求め方ならこの公式一発でOK。だってその方が確実かつ早いから。ところが「過去問の解き方を丸暗記した方」を、8割落とす試験はちょっと意地悪。
「Ⅳ」CVP点差のポイント
① 予想PLの作成力
② 売上単価が変化すると公式利用不可。←今日はここ
③ 予想BSの作成力 (資金繰り) ←ここは少なく、今後の出題。

上述の「CVPの公式」で解くのは、限界利益率=一定が前提。すると、「CVPを公式で解こうとする方」を8割落とすには、売上単価を変動させれば良くね? と出題側が気づくのは自然です(H29第2問 設問3)。

そこでスッキリ1級著者の滝澤ななみ氏は、「売上高=Sと置く方程式が最も安全」。ブログでそう書いています。

では旧態依然なスクールに教わっても埒が明かない。CVPなら簿記1級より診断士試験の方が難しいので、ここは基礎固めにスッキリ1級を実際に解いていきます。

【2年目上級アドバンス(CVP)】公式では解けないCVP

S★★★ 第2章 CVP分析

(B) CASE7 原価の固変分解 (例題) 問④⑤

診断士「事例Ⅳ」では、固定費⇔変動費の分解は文章で与えられますが、簿記1級では実際に計算させる出題があります。当試験では高低点法以外は出ないし、高低点法ならいつもの方程式で解けるので、読み物程度に。

※問④⑤の最小二乗法は解答不要です。

(S) CASE8 CVP分析とは?

簿記1級と診断士「Ⅳ」のCVP分析を比べると、簿記1級は計算を煩雑に、診断士「Ⅳ」は過去問の暗記では解けない初見パターンを問う傾向があります。

公式でなく方程式で解かせる出題は、パターン化しにくく、点差をつけやすい。そのためこの出題傾向は当面続きそう。

(S) CASE9 CVP分析~基本編 (例題) 問⑥

当サイトのエクセルもそうですが、「Ⅳ」のCVP過去問の多くは「SBEP=固定費÷限界利益率」の公式で一発で答えが出ます。

そこで時間はかかるが、当テキストの様に売上高=Sと置く方程式での解き方を練習しておくと安心。具体的には、目標営業利益「高」なら公式で解けますが、目標営業利益「率」になると方程式でしか解けません。

(B) CASE10 CVP分析~応用編 (例題) 問⑦

目標利益が「営業利益」でなく「経常利益」で指示された時の手順を眺めておく。「こんなのもアリ」と、いざ出題された時の安心感が違います。

(S) CASE11 感度分析とは? (例題)

販売価格、販売量、変動費、固定費をいろいろ変化させ、いくら儲かるかをシミュレーション。感度分析はCVPの必須論点ですが、診断士「Ⅳ」では、予想PLとして出題するパターンが多い様です。

(B) CASE12 多品種製品のCVP分析 (例題) 問⑧

組製品の考え方。知っておいても良いけど、あまり気にしなくて良い知識。

A★★ 第3章 最適セールス・ミックスの決定

(A) CASE13 制約条件が1つの場合 (例題) 問⑨

最適セールス・ミックスは過去に出題例があり、「制約条件あたり限界利益額」の高い順に生産・販売します。

ただH26第3問は出題に凝り過ぎて誰も当たらない問題になってしまったので、ヘンな深追いは不要。

(B) CASE14 制約条件が2つ以上の場合 (例題) 問⑩

最適セールス・ミックスの制約条件が2つになると、簿記1級では「線形計画法(LP)」で解きます。1次「運営」で出題実績があり、「Ⅳ」でも出題可能ですが、一度も出ていません。

恐らく今年も出ないので、テキスト一読程度でOK。

今日のまとめ

H29第2問設問3は、公式で解かせないため、売上単価を変動させた。

すると診断士スクールのCVPの教え方は、以下の3つに分かれそう。

①出題傾向変化に気づかず、CVPの公式を教え続ける。
②公式や暗記依存を避け、方程式で正しく解かせる。
③初見問題は方程式、既存問題は公式で使い分け。

①は論外ですが、②にも問題が。つまり方程式で解くのは、時間がかかり、ミスが出やすい。従いここは旧態依然なスクールや参考書、はたまたWebの勝手な議論より、しっかりした受験校の見解を待ちたい所です。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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