易問に見えてどこが難問?【受験同期のベスト解答(Ⅰ)】

今年の「Ⅰ~Ⅲ」は80分で解けない難問だった。そこでスクール・サークルにもう騙されない。受験同期だけで作ったベスト答案と比べよう。

余計なコトするなや。やっと採点が終わった頃なのに、基準をまた変えられたら迷惑だ。

いえ。2020年に向けて一番力が伸びるのが、今から2週間
239⇔240点で大差ないのに、12/6(金)の抽選会後はなぜか合格2割のやり方だけが「正」に。
違うよ、その5倍の多様な考え方から対等に学べるチャンスは今しかない。

確かにたまたま合格先輩の浮かれポンチな応援合戦は耳にタコ。面白いからお手並み拝見してやるぜっ。

易問に見えてどこが難問?【受験同期のベスト解答(Ⅰ)】

Contents
【設問別】
1⃣設問分析(難易度、レイヤー、期待得点)
2⃣ベスト答案(改善前→改善後)
+改善前答案とそのギャップ分析(正解を書けなくなる阻害要因)
【追加分析】~出題傾向変化の狙いを探る
3⃣設問分析編
4⃣与件文分析編

1⃣設問分析(難易度、レイヤー、期待得点)

今年の「Ⅰ」は易問に思えて難問だった。そこで合格先輩にドヤっとマウントされない内に、受験同期で原因を調べて「反省しよう」。

2⃣ベスト答案(改善前→改善後)

第1問 環境分析・過去・難度C・期待得点12点

第1問「最大の理由」では、外部要因はNGとのスクール説が有力。本当にそうか、来年に向けてどうするかを「反省しよう」。

A案:内部+外部要因編
理由は、後継者不足と健康問題で縮小する既存市場で、強みの乾燥技術を活用しない製品メンテナンスの事業化であるから。需要低下での売上減少と、膨大な部品在庫を生んだ高コスト体質により、結果的に成功しなかった。
B案:内部要因編
理由は、強みの乾燥技術を活用しない既存市場における製品メンテナンスの事業化であったから。製品延命と需要低下による売上減少と、膨大な部品在庫を生んだ高コスト体質での費用増加により、結果的に成功しなかった。
改善前答案とそのギャップ分析
【改善前答案】~コピペ重視で外部要因を書くと、「最大の理由」制約違反の可能性
最大の理由は、たばこ市場の縮小傾向を受け葉たばこ乾燥機の売上自体が落ち込む点にある。受動喫煙の社会問題化や葉たばこ耕作面積減少に歯止めがかからず、メンテナンス新事業が売上減と費用増の二重苦を生み出した。
  • 「最大の理由」で単純列挙を規制、理由の妥当な説明を求められた。
  • 関連多角化はシナジーとリスクの両面を意識して言及すべきだった。
  • 「膨大な部品在庫」を解消できなかった可能性は高く、手書きや前近代的な思考での経理体制で、採算性を考慮できる環境下になかったことは与件文ではあったが、シナジー効果がない(薄い)理由を本番ではしっかり言及できなかった。

【検討チーム】
与件の有力根拠をどこかの設問に当てはめて使うのがこれまでの解法パターン。
今後は「葉たばこ市場の縮小」=外部要因=「最大の理由」制約違反で採点されるとすると、作戦の練り直しが必要です。

第2問 組織行動・過去・難度B・期待得点15点

第2問だけは、従来パターンのコピペで取れるサービス問題。さらっと行きます。

【ベスト答案】
保守的な企業風土であった。補助金や規制に守られた新陳代謝の低い業界を主要顧客にしたため、古参社員が新規事業への取り組みを良しとせず、売上低下への切迫感がなく、コスト意識が低く前近代的な経理体制であった。

改善前答案とそのギャップ分析
【改善前答案】~改善前⇔後のギャップが少なく、従来通りの与件コピペで加点されやすい
A社の企業風土は、参入障壁の高いたばこ産業に依存する保守的なものである。古参社員が新規事業への取組を好まない他、膨大な部品在庫が収益を圧迫したり全社的な計数管理を行わないなど、経営体制も前近代的である。
  • 厳しい規制に守られた参入障壁の高い業界、産業関連団体から多額の補助金を受けていたのは、A社ではなく、A社の主要顧客。
  • 改革後も同族経営(少なくとも社長、副社長、専務)は続いており、現在も有効に機能している(10段落)ことから、高コスト体質の要因である古い営業体質にあたるとは言いづらい。

第3問 事業構造・現在・難度D・期待得点9点

第3問は聞かれたレイヤーの特定がしにくく、うっかり「1次」知識を使えない。王道だった「レイヤー」潰しの新傾向と言えそうです。

【ベスト答案】
要因は、①インターネットの普及により多くの依頼を得られ、収集した顧客ニーズを製品改良に活用することができ、②営業部隊のプレゼンテーションも奏功し、新規事業を必要とする市場の開拓をすることができた為。

改善前答案とそのギャップ分析
【改善前答案】
要因は、HP利用を自社の宣伝より、自社技術による新製品の新規事業アイデア収集に絞った点にある。試験乾燥の返送や説明に全国7営業所を活用することで、様々な潜在市場の見えない顧客にアプローチすることが出来た。
  • 事業構造・組織構造/行動・マーケで、従来の単純なレイヤー分けがしにくい。
  • そのため、どの「1次」知識を使うかが特定しにくく、解答方向性がブレやすい。
  • 100字にまとめるのが難しかった。

【検討チーム】
使える根拠はコピペで良いのに、思うようにキレイな文章につながらない。得点開示や口述問答による出題側の正解発表待ちとします。

第4問 組織構造・現在・難度D・期待得点9点

当問も、使いたい根拠は明確なのに、100字の編集が難しい。「士気(モラール)向上」まで書けた方なら、スコアが伸びそうです。

【ベスト答案】
要因はコアテクノロジーの明確な位置づけと社員との共有に加え、高齢者対象の人員削減による従業員年齢の引下げや、成果連動型賞与制度で社内整備を図った結果、組織が活性化し新規事業拡大への士気が向上したため。

改善前答案とそのギャップ分析
【改善前答案】~使う根拠は選べるが、ドメイン再定義~成果給~組織の士気向上までレイヤーをまたがり、因果で編集するには時間が足りない難問
要因は、高齢者を対象とした人員削減が従業員の年齢を10歳程度引き下げたことにある。抵抗感を持つ古参社員の減少や、コストカット分を賞与の成果給に回すことが、新規事業の積極的な拡大につながった。
  • バーナードの三要素(共通の目標、コミュニケーション、協働の意欲)を意識しながら解答する必要がある。
  • 新規事業の要因として、人員削減による従業員年齢の引き下げと成果連動型賞与制度で社内整備(コミュニケーションの容易化、協働の意欲を向上)を図ったこと、コアテクノロジーの位置づけと社内での共有(共通の目標)の両方に気づく必要がある。
  • さらに、これらの要因があって、組織活性化や個人の士気向上という結果がもたらされたという因果でまとめる。
  • 設問1で事業領域を「葉タバコ乾燥機の販売(モノ)」と定義して失敗したA社が、設問4では「農作物の乾燥技術(コト)」に再定義して成功したというネタあり。

【検討チーム】
っていうか、マス目に入りきらないほど根拠がある。それなのに「1次」知識から「士気」を書くのは、事実上は無理ゲー。

第5問 組織構造・現在・難度C・期待得点12点

R1「Ⅰ」は80分で解くには時間が足りない。第4問をコピペと割り切り、第5問に注力した方が結果的にはスコアが伸びそうです。

【社長のリーダーシップに注目編】
最大の理由は、縁戚の役員を要所に配置し権限集中という機能別組織の欠点を補った上で、企業統制の容易性という利点を活かし、新規事業を軌道に乗せるまで社長がリーダーシップを発揮し全社に目配りするため。
【機能別組織のメリットに注目編】
最大の理由は、機能別組織のメリットを活かすため。新規事業を軌道に乗せるまで①専門性を発揮し市場の開拓や販売チャネルの構築を行い、②企業統制の容易性を活かし社長が全社に目配りができる体制を継続する。
改善前答案とそのギャップ分析
【改善前答案】
最大の理由は、ターゲット市場の絞り込みや販売チャネルの構築など課題が⼭積であり、新規事業が発展途上であるため、全ての部門にA社⻑が目配りし、リーダーシップを発揮することで、企業統制をし易い体制を維持するため。
  • 「最大の理由」の明確化及び書き方で判断が求められた。
  • 機能別組織のメリットの中で何を浮かべて、選べたか(企業統制の容易性or専門性の発揮)。
  • 与件文が長く80分では足りないため、第4⇔5問のどちらに時間を割くか(=どちらをコピペで逃げるか)の判断が求められる。結果として、第5問の方が点が伸びやすかったと考えられる。

【検討チーム】
「Ⅰ」のラスト第5問は、「幸の日も」「毛深い猫」の知識をスタンバイしていた方が多かった。ここは虚を突かれた形で、当日の現場対応次第で点差が付きそうです。

【追加分析】~出題傾向変化の狙いを探る

ねぇねぇ、これだけ出題傾向が変わると、過去問重視だけが取り柄のあの国語スクールの合格率がヤバくね?

そやな。奴らが苦し紛れにまたおかしなことをネットに書く前に、受験同期の力で試験委員の考え方を想定しよう。

3⃣設問分析編

①設問分析(レイヤー)のこれまでとこれから
【これまでのⅠレイヤー】
第1問から順に、全社戦略→事業戦略→機能戦略で答えさせるものがほとんどであった。そのため、「組織構造が聞かれるのは第2~3問、最後の問題は人的資源管理だろう」というような予想があらかじめ可能。その経験則を踏まえて設問を見ると、レイヤーの判断は比較的容易であった。
【これからのⅠレイヤー】
R1の事例Ⅰでは、組織構造が第5問で訊かれる一方、人的資源管理の論点が第2問や第4問にちりばめられるなど、例年とは違った構成になった。
今後は、出題傾向の経験則に縛られることなく、設問ごとに「何が訊かれているのか」、レイヤーを判断しながら一つ一つ考える姿勢が求められる。
②時制処理のこれまでとこれから
【これまでの時制処理】
序盤の設問で過去、現在についての分析を行い、終盤の設問で事例企業の未来について施策の助言を行う/実施する施策の期待効果を述べるというパターンが多かった。
そのため、序盤の設問は与件文から該当箇所を抜き出せばほとんど解答が完成するというような、難易度が低めの設問が多く、逆に終盤の設問では1次知識を使い解答させるため難易度が高くなることが多かった。
【これからの時制処理】
R1の事例Ⅰでは、過去、現在についての設問しかないため、ヒントが与件文に多く何かしらの解答要素を拾ってくる分には困らない問題となった。しかし、「最大の理由」に象徴されるように、与件文の中からどの部分を選ぶかについては、1次知識を使って考えることが求められたため、答案編集の難しさも加わり情報整理の問題ではあるが差がつく問題(実際に差がつくかどうかは得点開示待ちとなる)となった。
今後は、今回の第5問のように「明らかに1次知識を用いる問題」ではない場合でも、関連する1次知識を用いなければ解答の方向性が絞れない設問が多く出てくることが考えられる。対策としては、1次知識を盤石としてそれぞれの設問に関連付けられるようになり、全ての設問を俯瞰して解答の方向性を絞る練習をすることが有効か。

4⃣与件文分析編

【検討チーム】
与件文が長くなった以外にも、従来の過去問の延長で解こうとすると、方向性がズレやすい作問だったと思われます。

H27H28H29R1
与件文の長さ
69行
77行61行82行
レイヤー手法
○通用する
○通用する○通用する△変化球
ビジョンや経営課題
○明記
研究開発費の捻出
○明記
有能な人材の確保
○全国市場進出や人材確保△明記なし
特にオヤっと感じる箇所
・問題発生からそれ以降の取り組みまで、全ての時制が過去〜現在の話。
・未来へのビジョンや経営課題が直接的に書かれていない。
・「最大の理由」という設問が2つあるのに対して、「理由」として使える要素が多ある(トラップやミスリード狙い?)。
2020年対策再開の方向性(案)
◇留意点
・レイヤー手法が通用しにくくなり、レイヤー違いによる誤答を避ける必要がある。
・分析問題の難化は続きそう。
◇対応策
・レイヤーと「1次」知識の整理を明確にし、飛びつきを避ける練習を重ねる。
・分析問題で何を聞かれたかを外さないために、設問全体の俯瞰力を意識する。
・過去問の経験則や、設問分析からの安易な決めつけは本番ではNG行為。

「事例Ⅰ」ベスト解答まとめ ~頭を丸めて反省会

易問に見えて難問~いわゆる過去の「受験テクニック」を、ほぼ軒並み狙い撃ち

ほぅら、ふぞ先輩を狙い撃つために、与件文は年々長く、マス目は短くなるんだよ
そうぬか喜びしていた「まとめ系」を狙い撃つかのような、「100字一文狙い」「あいまいレイヤー」「ミラモンなしの時制トリック」。

そりゃ普段からビジネス戦略を考えている方にはサラリと書けても、スクール・サークルがネットに書く「受験テクニック」に依存タイプは、枕を並べて軒並み討ち死に。R1「Ⅰ」はそんな事例であったと言えそうです。

もうわかったね?
この試験は60点取れば合格だけど、前年60点の合格先輩の話を鵜呑みにしたって勝負にならない。

ではどうする? そんなことは答えを書く前から決まっているぜっ。

もうスクール・サークルの話を鵜呑みにしていちゃ、来年の試験対策を再開する前から周回遅れ。そこでなぜ今年の出題が変化したのか、では来年はどんな作問が。それを自らの力で切り拓く方から順に、2020年の合格椅子が回ってきます。

ボタンを押して今日もイタダキ↓。
試験の進化は待ったなしです。

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