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【きゃっしい特別編】試験までの期間に応じた暗記法

枝葉を幹にし、暗記をイキイキ。

【きゃっしい特別編】試験までの期間に応じた暗記法

こんにちは。きゃっしいです。今回はこちらのサイトから「従来と一味違う暗記対策の記事が欲しい」というリクエストをいただきましたので、記事を書かせていただきました。

暗記対策については、一発合格道場やこちらのサイトでも、十分な数の記事で語られています。もっと効率良く暗記するにはどうすればいいんだろう、という方は、

さて、暗記についての記事を書くにしても、これだけ様々な記事が揃っていると、「これからさらに何を書こう・・・」と頭を抱えたのですが・・・

ありました。

恐らくこれは、勉強が得意な人は暗黙知的にできてしまうので、ここをわざわざ形式知化することはなかったのだと思いますが、せっかくなので形式知化してみたいと思います。

【きゃっしい特別編】試験までの期間に応じた暗記法

1⃣試験までの期間に応じ暗記法が異なる

具体的には、①試験まで期間のある時は幹の学習を ②試験までの期間がない時は枝葉の暗記を重点的にやりましょう、ということです。もう少し詳しく説明します。

ここでいう「幹」とは、こうです。

  • 学習する内容についての全体像
  • 個別の要素について「これは全体の中のこの部分の話だ」と整理できること
  • 「これは要するにこういうこと」と自分の言葉でストーリーを語れること

そして「枝葉」とは、こうです。

  • 個別の問題を解くために必要な詳細知識

2⃣「情報」~最初の基本は用語の暗記

それでは「幹」と「枝葉」の暗記法の違いを、次の科目の「情報」で最初に学習するハードウエアの例でご紹介したいと思います。

①暗記の「幹」

「幹」暗記の具体例
ハードウエアについて学ぶときは、まず、コンピュータには5大装置があるということを学びます。5大装置とは、①入力装置 ②記憶装置 ③演算装置 ④制御装置 ⑤出力装置の5つです。
そして、入力装置には具体的にはキーボードやマウスやスキャナがあり、出力装置と入力装置が一体となったタッチパネルやスマートスピーカなどもあります。
記憶装置には、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置、キャッシュディスク、補助記憶装置の5つがあり、後に挙げたものほど容量が大きくなりますが、処理速度は遅くなります。
演算装置・制御装置の役割を果たすのがCPUです。 出力装置は出力装置と入力装置が一体となったタッチパネルやスマートスピーカの他にディスプレイやプリンタなどがあります。

このように、学んでいる論点に関する全体像と個別の要素がその中のどこに当たるか、というのが幹の部分です。そして、できればこれくらいは何も見ずに自分で説明できるようになることがこの時期、暗記科目でやるべきことと言えます。

②暗記の「枝葉」

それに対し、枝葉の部分としては 下のような個別の用語の意味や公式といった、個別の問題を解くために必要な詳細な知識です。

「枝葉」暗記の具体例
抵抗膜方式は、タッチパネルの入力方式の1つで、押した画面の位置を表面のフィルムとガラス面の間に張り付けられた電極の電圧の変化にのって検知する方式のこと。安価で手袋をしたままでも利用できるが、耐衝撃性や耐久性が弱い。
キャッシュメモリの平均読み出し時間は 平均読み出し時間=キャッシュメモリへのアクセス時間×ヒット率 +メモリへのアクセス時間×(1-ヒット率 )
MIPSはCPUの処理能力の表し方で1秒間に何百万回の指示が実行できるかを表す。

③暗記が得意な人の覚え方~「幹」と「枝葉」を上手にミックス

暗記が得意な人は無意識のうちに、まず幹の部分を把握し、以下の様な形で幹と枝葉を繋げて覚えます。

「幹」+「枝葉」のミックス例
「入力装置の1つのタッチパネルには抵抗膜方式と静電容量方式があって、そのうち抵抗膜方式は・・・で、静電容量方式は・・・で、抵抗膜方式の方が静電容量方式より安いけど、耐衝撃性や耐久性は弱い」
「記憶装置には、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置、キャッシュディスク、補助記憶装置の5つがあって、その中のキャッシュメモリはCPU(レジスタはCPUの中にある)と主記憶装置との間にあるもので、CPUと主記憶装置の速さのギャップをつなぐもの。CPUが使ったデータのうち、より早いキャッシュメモリから取り出したデータの割合をヒット率という。だから平均読み出し時間はキャッシュメモリへのアクセス時間×ヒット率+メモリへのアクセス時間×(1-ヒット率)と表せる」
「演算装置・制御装置の役割を果たすのがCPUの処理の速さを表す方法の1つのMIPSはMillion Instructions Per Secondの略で日本語に訳すと1秒当たり百万回、なので、1秒間に何百万回の指示が実行できるかを表す。」

単純に文字数で見ると個別の枝葉で挙げた例の方が少ないのですが、頭への残りやすさでいうと後者の方が頭に残りやすくなります。

これは、冒頭に挙げた【暗記科目対策】記憶のメカニズムから紐解く記憶術でも書きましたが、人の記憶というのは体験に基づいた「エピソード記憶」の方が覚えにくく忘れにくい性質を持っており、枝葉の個別の用語が幹の部分と結びつくことで、より体験に近い1つのストーリーとなるからです。

3⃣長期記憶~暗記の「幹」の作り方

ストーリーとした方が覚えやすい、というのはいわゆる「記憶術」で紹介される例で示すのがわかりやすいかと思います。

記憶術の方法の1つに物語法という方法があり、ざっくり言うと例えば↓のような脈略のない10の単語を覚える際、単語をストーリーにして覚えると覚えやすいという方法です。

りんご 椅子 青 剣 靴 救急車 図書館 布団 インスタグラム 猫

ストーリー例

りんごを食べながら椅子に座っていると、青い顔をした人に剣が刺さっていて、剣の柄に靴がひっかかっていて、救急車で運ばれていた。

救急車は図書館に寄って布団を借りてから、その様子をインスタグラムにアップしたところ、インスタグラムは猫写真ばかりだった。

ただ単語を10個順番に覚えるよりも情景をイメージしながらストーリーを何度か口ずさんだ方が覚えやすいですよね。

正直、この「物語法」は単なるデモンストレーションのようなものであまり意味はありません。ただ、単純に暗記するよりかはストーリーで覚えた方が覚えやすいということを示すのにはとても良い例かと思います。

恐らく、暗記が得意な人ほど、無意識のうちに全体→部分のストーリーを作って覚えているため、覚えるのが得意なのではと思います。そして、このような覚え方をしていると、一度枝葉の部分を忘れてもちょっと復習すれば、比較的早く思い出すことができます。

イメージとしては、まず幹を作って、その先に枝葉を付けていけばちょっと時間が空いて葉が散って(枝葉の部分を忘れて)しまっても、すぐにもう一度枝葉を付けなおすことができるというイメージです。

4⃣短期記憶~「枝葉」だけでは定着しない

それに対し、枝葉だけ集めて木っぽく見せようとすると、幹がないのに枝葉を集めるのは大変な上、時間が空いて葉が散ってしまうともう一度集めるのに同じくらい苦労しないといけないため非常に効率の悪いものとなります。

暗記が苦手という方はもしかしたら、この枝葉だけ集めるパターンに陥っているのかもしれません。

直前期であれば、四の五の言わずにとにかく集めるだけ枝葉を集めてしまえ!というのもありかもしれませんが、まだまだ試験まで時間があるこの時期には暗記科目も、全体像を意識して「幹」の部分を作るようにしてみてください。

そして、「幹」の部分を作るためには、まずは冒頭で挙げたような全体像の説明を自分でできるようになる、という状態を目指して学習することが重要です。

5⃣一発合格まとめシート~「幹」→「枝葉」を意識した効率的な暗記対策

先日紹介いただいたまとめシートでは、1枚のシートで全体像が見てわかるようにしており、説明のテキストもまず全体としてどんなものがあるのかを説明してから部分の説明に移るというように、幹→枝葉のような説明としています。

ですので、「全体像を把握しろと言われても、全体像ってどういうものかわからない」という方にとっては、全体像を把握するための良いツールとなるのではと思っています。

また、最近合格体験記でもよく取り上げられている「通勤講座」もロジックツリーを使った説明をしてあるとのことなので、同じような全体→部分というのを意識しているのかなと思います。

ぜひ試験まである程度余裕があるこの時期、「今暗記科目を勉強してもどうせ本番までに忘れちゃうよ」なんて言わずに、全体像を意識した記憶の「幹」作りをして、効率的な学習を進めていきましょう。

以上、きゃっしいでした。

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