B財務

【初めての財務・会計#4~5】ファイナンスなぞなぞ~うすいのにあついもの

スピテキ「ファイナンス」のページはごく薄い。ではなぜ今アツいのか?

配当割引モデル(定率成長)とは、「1次」を勉強した方なら目を瞑って解けるごく基本。ところが平均合格所要年数=2.54年とされる「2次」で少し捻って出題したら、正答率が驚きの0%。

こりゃいかん。これまでの学習指導が200%誤っていたことを潔く認めよう。

そう兜を脱いだ受験校が、「来年はぜひウチにいらっしゃい!」 ファイナンス指導の手厚さを競って熱く語り出す。だから今、一番ホットな話題です。さらに加えて、

ファイナンスのテキストは薄いが、配点が手厚い。

これにはちゃんと理由があります。

ファイナンス論点 (←今日のメモ)
同じ論点が繰り返し出題される
→テキストは薄くなる。

制度会計論点 (←明日のメモ)
毎年違う論点をかわりばんこに出題
→テキストが分厚くなる

今から一年勉強するとき、①得点が手厚い⇔②テキストがやたら分厚い、どちらがお好み? ではファイナンスのメモを始めます。

【初めての財務・会計#4~5】ファイナンスなぞなぞ~うすいのにあついもの

スピテキ#4 企業財務論

S論点

2資金調達意思決定

→スピテキP.137では、「投資」「資金調達」「利益分配」の3つが「企業の財務意思決定=コーポレートファイナンス」であると定義。だが診断士「会計・財務」は、「投資意思決定」を第5章で学習済、「利益分配意思決定」は出題しない。従い、「資金調達意思決定」のみが重要。

1企業価値の最大化と株価の最大化

→「企業価値」はビジネスのあちこちで見かけけれど、
企業価値=株式価値+負債価値
だけがホンモノ。それ以外はまがい物。この時、企業の行動目標=企業価値や株式価値の最大化=利潤の最大化である理屈をこの章で理解。ただし実力以上に見せかける粉飾決算=財務諸表の虚偽表示は厳罰。

(1)株式価値の計算

→株式価値の計算、つまり理論株価の計算法はスピテキP.161掲載の通り、多様。だが診断士試験上は、配当割引モデルを使う決まり。スピテキP.141「株価の計算」参照。

(2)負債価値の計算

→診断士試験上は、簿価をそのまま使う決まり。スピテキ掲載の割引モデルも使えるが、低金利下では意味がないので不要。

1株式の期待収益率

→株式の期待収益率=株式の値上がり益+配当益。税法をやると前者(キャピタルゲイン)⇔後者(インカムゲイン)の違いにこだわるが、診断士試験上では気にしない。

(1)ゼロ成長モデル

→会社が永久に存続し、株主が一定額の配当を貰い続けると仮定すると、株式価値=将来に渡り貰い続ける配当金の総額となる。この時、無限等比級数の考え方を使うと以下になる。ここ第一歩。
株価VE=D/rE

(2)定率成長モデル

→配当金が定率gで成長する仮定では、以下になる。講師の説明で理解し、自力で一度公式を導出すればOK。わざわざ覚えなくて良い。
株価VE=D1/(rE-g)

1フリーキャッシュフロー(FCF) ☆超重要

→FCF=企業の現金生成能力。診断士合格までというか、今後一生使う概念なので、ここでしっかり勉強。学習上は以下の2つで使い分け。
公式①:FCF=税引後営業利益+減価償却費±運転資本増減-投資額
公式②:FCF=営業CF+投資CF

なおP.76「CF計算書」は原則過去の結果を扱い、ファイナンス論点のFCFは将来見込みを扱う。試験対策上は全く別論点と考える方が適切。

2加重平均資本コスト WACC ☆超重要

→企業の資金調達源泉は、①自己資本 ②負債(他人資本)の2つに大別。両者の資本コストはかなり違うため、加重平均して求める。何度も問われるので、解法を先に体得し理解は後からでOK。

(1)企業価値の計算

→企業買収(M&A)を行うには、企業価値の評価が大切。以下2つの方法を使い分けるが、②は簡単なので、出題されるとすれば①。
①企業価値を直接求める:FCFをWACCで割り引く
②株式価値+負債価値の合計

(2)継続価値(永続価値)の計算

→S論点ほど頻出ではないが、セットで学習。企業は永続するので、FCF/WACCで企業価値を求める場合は、「継続価値」を考慮する。「継続価値」は設備投資の問題では登場せず、つい忘れがちなので要注意。

A論点

1投資意思決定

→コーポレートファイナンス理論では、まず投資意思決定を扱い、そのために資金調達、の順で進む。だが診断士試験では、投資=意思決定会計で扱い、ファイナンス論点には含めない。

(1)1株あたり配当金 DPS

→株価指標は「1次財務」でのみ問われ、「Ⅳ」では問われない。だから暗記で済むが、略語3字の英語を知ると、暗記すら不要。Dividend Per Share→配当総額を株式発行総数で割る。

(4)1株あたり当期純利益 EPS

→Earnings Per Share。ここ高いほど、高配当が期待できて人気。

(5)株価収益率 PER

→Price Earnings Ratio。(4)の逆で、期待できる配当に対し、今の株価がどの程度割高か。

(7)株価純資産倍率 PBR

→Price Book-Value Ratio。期待する配当でなく、純資産に対し今の株価がどの程度割高であるか。

(1)営業利益ベースである理由

→FCFの公式をもし忘れても、理屈で押さえておけばすぐに思い出す。

(2)DCF法

→株式価値の計算はコスト・インカム・マーケットの3アプローチ。「事例Ⅳ」では「DCF法」しか問われないので、「1次」対策の知識として使う。

B論点

利益分配の意思決定

→ファイナンス意思決定3兄弟の末っ子。診断士試験では問われない。

2ファイナンスの目的

→暗記も理解も不要だが、実はイイコト言っている。ファイナンスは理屈が大事。

(2)配当利回り
(3)配当性向

→株価指標シリーズ。英略語がなく漢字のみの指標は誰でもわかるため、出題されない。

(6)1株あたり純資産額 BPS

→英略語3字。だが株価と簿価純資産の連動性は低いので、まず出ない。

(1)債券価格の算定
(2)割引債(ゼロクーポン債)
(3)利付債(クーポン債)

→診断士試験で「債券」といえば、「社債」=企業による金融市場からの直接調達。買う側は株式とのポートフォリオ、発行側は仕訳が重要論点であるが、診断士試験ではいずれも出ない。「1次」過去問が解ければOK。

(1)単利計算と複利計算
(2)1年未満の複利計算

→社債を出すと診断士受験生はお手上げなので、学習不要。もし出題された時だけ、ここに戻って知識を理解。

(1)純資産額法
(2)修正簿価法
(1)収益還元法
3マーケットアプローチ

→株式価値の計算法。計算問題でなく、「1次」の知識選択肢としてたまに出る。過去問の解説を使って覚えればOK。

C論点

(2)FCFの計算式の簡便化

→FCFで、減価償却費や運転資金増減を考慮しない場合のショートカット。この種のショートカットを覚え出すと、むしろゴールが遠くなる。

スピテキ#5 証券投資論

S論点

2個別証券(危険資産)のリターン

→証券投資論では、「ハイリスクハイリターン」の根拠をまず学ぶ。ところでリターン=期待収益率。期待収益率=3つのシナリオでの収益率の期待値。診断士試験のあちこちで頻出する「期待値計算」はここでがっちり学ぶ。

3個別証券(危険資産)のリスク ☆超重要

→証券投資論では、リスク=危険と訳さず、「ブレ、ばらつき」と訳す。理屈は後で良いので、
期待値計算→偏差→偏差2乗→更に期待値計算→√で戻して標準偏差
この手順を何度も計算して体得。おまけで以下を理解。

  1. 3シナリオの収益率がばらつくほど、標準偏差が大。
  2. 標準偏差の大小で、どれほどばらつくか=リスクを一目で比較可能。
  3. 二乗して√で割るのは、偏差が±になる影響を避けるため。

1ポートフォリオのリターンとリスク

→ポートフォリオ理論とは、複数証券の組み合わせでリスクを下げ、リターンを上げること。その初歩を学ぶため、△複数証券でなく、○2証券に絞って考える。騙されたと思い、テキストの指示通りにポートフォリオの期待収益率(リターン)・標準偏差(リスク)を計算。2証券を組み合わせると、
標準偏差(リスク)を下げ、そこそこの期待収益率(リターン)が狙える。
ここを理屈で納得するか、単に暗記で通過するか。その数字に対するセンス(感度)がファイナンス学習の岐路。

2効率的ポートフォリオ

→グラフ見るより、エクセル自力で計算して納得。自分なりのストーリー仕立てで理解すると、一生忘れない。

  • P.182の例で、A証券はハイリスク・ハイリターン。
  • B証券の組み入れ比率を増やすと、リターン・リスクが両方下がる。
  • リスク下降が底を打ち、リターンが下がりリスク上昇に転じる。
  • ハイリスクローリターンは魅力なく、その組み合わせは採用しない。

1共分散
2相関係数

→2証券でポートフォリオを組むなら、極力逆の動きをするA+B証券を選ぶ。その理屈の説明が共分散と相関係数。A、B証券の偏差を掛けた加重平均で求め、逆の動きをするほど値がマイナス。共分散と相関係数ρとは、
値マイナス→リスクが下がって一定リターン→メシウマ
電卓必須な計算問題は出ない。だから理屈がわかれば良く、もし迷っても他論点に被害はないので気にしない。

3相関係数とポートフォリオ効果

→計算問題は出ない。相関係数は最大1→最小マイナス1。最小になるほどローリスク→メシウマ、程度のイメージでOK。

2CAPM ☆超重要 Capital asset pricing model

→証券に求められるリターンは、β(市場全体と比べた当該証券のリスクの尺度)に比例。使い道としては、企業価値評価に使う割引率の決定。試験対策としては、y=ax+bの一次方程式で解く。

(1)ドル買い・円売りの先物為替予約
(2)ドル売り・円買いの先物為替予約

→輸出入企業が持つドル建て売掛金・買掛金は、為替の動きで利益変動(リスク)。そこで手数料払って決済レートを先に決めるのが為替予約。輸入企業(例:石油)はドルを買い、輸出企業(例:自動車)はドルを売る。

(1)コールオプション
(2)プットオプション

→為替に加え、原油や株式など様々なものを将来一定価格で取引する権利が売買。断士対策上は、「儲けるためでなくリスクを下げるため」「売り手でなく買い手」。理屈より図でイメージすると一旦忘れない

2通貨オプション

→診断士なら中小の製造業相手→売掛金で将来ドルが入金→「ドル建てのプットオプションを購入」でFA。

A論点

1安全資産を含む効率的フロンティア

→CAPMを説明する一歩手前の知識。読み物程度

B論点

1資本市場の考え方

→資本市場では、売り手⇔買い手が交渉し、最適な価格で取引が成立。「経済」で教わるのでここはさらっと流す。

2投資対象の考え方

→証券投資の対象は、安全資産(ノーリスクローリターン⇔危険資産(ハイリスクハイリターン)の組み合わせ。この組み合わせの妙をこの章で学ぶ。

4リスク回避的投資家

→診断士試験上は、「投資家はリスクを嫌う」。詳しくは「経済」で学ぶ。

1先渡取引と先物取引

→先物取引は良く聞くが、先渡取引はあまり聞かない。用語程度。出ない。

2為替先物予約による損益と直物による損益を合わせたネットの損益

→先物取引による損益をどう記帳するかの簿記論点。出ない。

1金利スワップの意義

→変動金利のリスクが嫌なとき、手数料を払って固定金利に変えることができる。でも出ない。

C論点

2通貨スワップの意義

→国際金融の世界では、異通貨の債券債務を取り換えっこすると何かイイコトが起きる。でも出ない。

今日のまとめ

羹 (あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く。

そして「診断士受験ではファイナンスこそ大事なのです!」180度手のひらを返したスクール、サークル勢に担がれて、気づいたらファイナンスの石の上に三年。フーフー息を吹きながらひたすら小難しく勉強、なんて事態は避けたいものです。

だって診断士試験で問われるファイナンスでは、ごく薄いテキストに手厚く配点。毎年同じ頻出論点が繰り返し問われ、ごく簡単に荒稼ぎです。

へぇ、本当にそうかい? それは明日紹介する分厚い「その他制度会計」テキストと見比べて納得です。

わかりやすさがマスト、具体的ならベスト
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