【財務過去問第10章】論点の捨て⇔理解はここで切り分け~原価計算

Q:簿記2級は必要でしょうか?

当問は重要、必ず理解して。この問題は不要、捨ててください。受験校講師の鮮やかな指導に、この時期の初学者は目をパチクリさせてひたすらメモメモ。ところでこの「理解」⇔「捨て」の判断基準とは、

×捨て:「2次」で要らない難解知識
◎理解:「2次」解答に使う知識
○暗記:「1次」だけで問われる知識

そう、判断基準は「2次」で要るか要らないか。そうして実戦ビジネスで役立つ知識から順に身につく所が、診断士がビジネスパーソンに人気の理由です。

ところが「簿記2級」の学習要否を講師に相談すると、「簿記は不要です。わが校のテキストに専念してください ( ・`ω・´)キリッ」と言われてガッカリ。でもそれ、2次の「Ⅳ」は、簿記の知識を使わず解ける様に作問されるためです。

へぇ、では深入りしなくていいんだね?

はい、ホントは大事だけど診断士対策上は深入り不要。原価計算の過去問を「読んで」行きます。

【財務過去問第10章】論点の捨て⇔理解はここで切り分け~原価計算

1⃣原価の分類と構成

H27第6問 原価の分類 Bランク

原価計算基準とは?ムキにならず一問一答レベルで知識を増やす。

画像:ゆとりずむ
原価計算に関する記述として最も適切なものはどれか。
×ア 原価計算における総原価とは、製造原価を意味する。
×イ 原価計算は、財務諸表を作成する目的のためだけに行う。
×ウ 原価計算は、製造業にのみ必要とされる計算手続きである。
○エ 材料費・労務費・経費の分類は、財務会計における費用の発生を基礎とする分類である。

膨大な知識を覚えたい時は、テキスト暗記より、ポケテキレベル+過去問の選択肢を使ってインプットを。×イウはなんとなく違う、×アは細かいけれど違う。そこで正解○エの知識を覚えます。

H29第10問 製造原価 Cランク

誤答選択肢の細かな粗を探して、知識をインプット。

原価計算基準における製造原価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 間接労務費には、直接工賃金は含まれない
×イ 形態別分類において、経費とは材料費、労務費、減価償却費以外の原価要素をいう。
○ウ 原価の発生が特定の製品の生産との関連で直接的に把握されないものを間接費という。
×エ 直接材料費、直接労務費以外の原価要素を加工費という。

誤答選択肢もこれだけ細かいとはっきり×がつかない。本試験ではなんとなく○ウを選べれば上等です。イは最後の×減価償却費が余計、エは×加工費→○製造間接費。アは紛らわしいが×含まれない→○含まれることもある。簿記履修済の方はこの手の計算練習をして当ててくるので、その他の方には実質Dランクの捨て問です。

2⃣個別原価計算と総合原価計算

H27第7問 個別原価計算 Bランク

簿記2級ならコツコツ当てる。簿記未習なら鉛筆コロコロでOK。

次の資料は、工場の 20X1年8月分のデータである。このとき、製造指図書#123 の製造原価として最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、すべて当月に製造を開始した。
×ア 212,500 円
×イ 220,300 円
○ウ 253,000 円
×エ 262,500 円

簿記2級原価計算の超初級問題で、材料費・労務費・製造間接費の計算力が問われます。正解○ウ一択ですが、苦手な方は鉛筆コロコロでOK。それは、2次「事例Ⅳ」では原価計算で差がつく出題はしないためです(詳細後日)。

H29第8問 総合原価計算 Bランク

総合原価計算以降はBOX図の出番。苦手な方はここも鉛筆コロコロ。

単純総合原価計算を採用しているA工場の以下の資料に基づき、平均法により計算された月末仕掛品原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、材料は工程の始点ですべて投入されている。
×ア 500千円
○イ 680千円
×ウ 700千円
×エ 800千円

簿記では必ず上図の様なBOX図を描いて解きますが、複数の出題パターンがあり、マスターするには毎日コツコツ時間がかかります。ファイナンスで点を取る自信があれば、原価計算論点は丸々捨てる手も。

3⃣実際原価計算と標準原価計算

H30第9問 標準原価計算  ※参考問題

ヨテイハイフした場合のコウシキホウヘンドウヨサン?シュラッター図?なにそれおいしいの。

画像:パブロフ簿記
当社は製造間接費の予定配賦を行っている。製造間接費予算については公式法変動予算を採用している。以下の資料に基づき、製造間接費配賦差異のうち、予算差異の金額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
⑴ 月間の製造間接費予算
基準操業度 5,000 時間 固定費 150,000 千円 変動費率 20 千円/時間
⑵ 当月の実際操業度 4,000 時間
⑶ 当月の製造間接費実際発生額 245,000 千円
○ア 不利差異:15,000 千円
×イ 不利差異:30,000 千円
×ウ 有利差異:15,000 千円
×エ 有利差異:30,000 千円

H27~29の3年連続易化から一転し、H30は得点させない嫌がらせ問題が多数。ここまで完全な簿記論点になると、診断士の出番はありません。割り切ってスルー。

4⃣全部原価計算と直接原価計算 ※詳しくはCVP分析へ

H28第8問(1) 直接原価計算 Dランク

固定費調整はCVP分析(直接原価計算)の有用性を裏付ける超重要理論。計算問題は出ないので、結論だけ暗記。

次の資料に基づいて、下記の設問に答えよ。
(設問1)
資料に関する説明の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×a 全部原価計算を採用した場合、第1期と第2期の営業利益は同じである。
○b 第1期では、全部原価計算を採用した場合の営業利益の方が、直接原価計算を採用した場合よりも大きい。
×c 第2期では、全部原価計算を採用した場合の営業利益の方が、直接原価計算を採用した場合よりも大きい。
○d 直接原価計算を採用した場合、第1期と第2期の営業利益は同じである。
×ア aとb
×イ aとc
○ウ bとd
×エ cとd

コテイヒチョウセイとか言われても鳩に豆鉄砲。この論点は2次「Ⅳ」の出題可能性がありますが、出すと簿記系の方だけ当ててしまうので、出しません。逆に2年目の方ならこの手の理解を増やすことで、初見問題の得点力がUPします。

原価計算論点は年に3マーク出ますが、簿記系の方は百発百中、残りの方は鉛筆コロコロするので正答率はB~Cランクに。ここで基礎を重視し毎日コツコツやるか、「ファイナンスで稼げば良くね?」と蹴っ飛ばすかは、人それぞれでOKです。

今日のまとめ

Q:簿記2級はやった方が良いでしょうか?

その問に対する答えは全員共通に。簿記2級は診断士「財務・会計」の基礎になるので、時間があるなら「やった方が良い」。でも合格まで200hかかるので、初学者がそこに手を出す時間はない。だから簿記2級を必要と思うなら、時間がたっぷりある受験2年目以降にやれば良い。

くよくよ悩む時間があるなら、数字を使って一歩前進。そんな合理的な割り切りができるのが、原価計算を学ぶメリットです。

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