経営分析×分数【Ⅳ第1問対策】

小学生は分数嫌い。

画像:mama-sta

初学の時は仕訳に悩まされ、多年度に入ると毎日コツコツイケカコを解かされる罰ゲームが。そこで、5月に入ると「財務を制する者は!」なんて寝言ぶっこいてる場合ではなく、苦手の原因に素早く手を打たないと。

「Ⅳ」や「財務」を苦手にする原因は、「簿記嫌い」の他に、分数や小数への苦手意識があるそう。そこで「Ⅳ」を早めに得意化するために、素早く解き直したい分数・小数の過去問15マークをリストにしました。

1問5分なら75分、10分なら150分。スクールの講義1コマ分の時間で、「Ⅳ」「財務」が一気に得意科目に。そんな旨い話があって良いのか? ここは単に読むだけでなく、電卓片手にぜひ練習を。

経営分析×分数【Ⅳ第1問対策】

経営分析

知識:経営分析でマストの13指標

診断士合格に簿記は不要。BSが読めて経営分析(分数)が出来ればOK。使う指標は以下を参考に。

H26第9問 収益性(ROE) Cランク ※パズル

“論点が 2つ絡むと Cランク”
ROEを求めるには純利益(E)が必要。そこでまず売上高を求めさせるパズル問題。

以下の資料に基づき、X1年度とX2年度の経営状態の変化を表す記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a X1年度と比較してX2年度は自己資本純利益率が下落した。
○b X1年度と比較してX2年度は自己資本純利益率が上昇した。
○c X1年度と比較してX2年度は総資本純利益率は下落した。
×d X1年度と比較してX2年度は総資本純利益率は上昇した。
×ア aとc
×イ aとd
○ウ bとc
×エ bとd

虫食い算の様に推定して解くタイプの設問で、簿記×算数の知識がWで問われます。苦手な方はクヨクヨ悩まず捨ててOK。

H26第10問 収益性(ROE) Cランク ※後回し

これも簿記の知識が要る問題。これも苦手な方は捨ててOK。

特定の資産を費用化することによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、純利益は自己資本よりも小さいものとする。
×a 他の条件を一定とすると、自己資本純利益率は不変である。
○b 他の条件を一定とすると、総資本純利益率は下落する。
○c 他の条件を一定とすると、負債比率は上昇する。
×d 他の条件を一定とすると、流動比率は上昇する。
×ア aとb
×イ aとc
○ウ bとc
×エ bとd
×オ cとd

a⇔b、c⇔dで2択を2回させる設問で、「費用が増える」のでa⇔bでは○bを選べます。ところが「特定の資産を費用化する」の意味がわかりにくい。c⇔dの区別はあきらめ、ウエの鉛筆コロコロで十分です。

H27第11問 効率性 (1)Aランク (2)Bランク

上のCランク2問は捨ててOK。A、Bランクを見たら本気を出す。

次の貸借対照表と損益計算書について、下記の設問に答えよ。
(設問1)
 総資産回転率として最も適切なものはどれか。
 ×ア 0.68 回
 ×イ 0.87 回
 ×ウ 1.25 回
 ○エ 1.47 回

総資産回転率=売上高440,000/総資産300,000=○エ1.47回の一択です。

(設問2)
インタレスト・カバレッジ・レシオとして最も適切なものはどれか。
×ア 13.3 %
×イ 20.2 %
○ウ 13.3 倍
×エ 20.2 倍

インタレストカバレッジレシオは、暗記ではなく意味で捉えます。「利息をまかなう倍率」と訳せば、事業利益(営業利益+受取利息・配当金)/支払利息で。ひっかけの「受取家賃」を無視して、20,000÷1,500=○ウ13.3倍です。

H29第11問 安全性 Aランク
次の資料に基づき計算された財務比率の値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
○ア インタレスト・カバレッジ・レシオは5.5倍である。
×イ 固定長期適合率は80%である。
×ウ 自己資本利益率は11.3%である。
×エ 総資本営業利益率は27.5%である。

習う・考えるよりまず手を動かして計算。H27第11問と続けて解けば、○ア一択です。×イウエの正解は自分で計算してみる。

H29第12問 安全性 Bランク

安全性とは一般に「支払い能力」。PLを使わず、BSだけで考える。

長期借入金により資金を調達し、その全額を設備投資(新規の生産設備の取得)に使用したとする。他の条件を一定とすると、これによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 固定比率は不変である。
○b 自己資本比率は悪化する。
×c 当座比率は悪化する。
○d 流動比率は不変である。
[解答群]
×ア aとb
×イ aとc
×ウ aとd
×エ bとc
○オ bとd

安全性(BSだけ使う)の出題では、数字を使わずに文章で比率の変化を聞くパターンが良くあります。BSの図を描いてどこが変化する、しないを考えると、すぐ正解になるサービス問題です。※固定資産と長期借入金が増えても、c当座比率、d流動比率ともに不変。

H30第10問 労働生産性 Bランク

出題頻度が低い「労働生産性」は暗記しない。それより「付加価値」って何だったっけ?

以下の資料は、20X1 年の実績と 20X2 年の予算の抜粋である。20X2 年における財務比率の変化に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 付加価値率は上昇する。
×イ 労働生産性は低下する。
○ウ 労働装備率は上昇する。
×エ 労働分配率は低下する。

付加価値の計算式なんて暗記しちゃダメ。付加価値=経済学のGDPと思い出せば、こんなふんわりイメージで2科目共通で解けます。

次にイウエは、労働生産性、労働装備率は「従業員数が分母」が特徴と覚えておく。これでふんわり計算できます。

企業財務論:ROEの公式(負債レバレッジ)

H30第21問(1)Cランク (2)Bランク

診断士でROEといえば、(1)デュポン分解 (2)ROEの公式。分数パターンで2つ覚える。

画像:全ての投資家達へ
但し、診断士学習上はROEの公式に(1-t)を足す。
 以下の損益計算書について、下記の設問に答えよ。
なお、当期の総資産は1,500百万円(=有利子負債1,000百万円+株主資本500百万円)とする。また、当社ではROAを営業利益÷総資産と定義している。
(設問1)
 営業利益は経営環境によって変動する。したがって、投下資本を一定とした場合、それに応じてROAも変動する。ROAが15%に上昇した場合、ROEは何%になるか。最も適切なものを選べ。
×ア 17%
○イ 21%
×ウ 35%
×エ 39%

ROEは(1)のデュポン分解が有名ですが、診断士試験では(2)のROEの公式(負債レバレッジ)が昔良く出ていて、H30で久しぶりに出題されたので、「Ⅳ」対策上で要注意です。

ROEの公式を覚えていれば代入して、ROAが10%→15%のとき、ROEが12%→○イ21%に跳ね上がると納得。ついでに(設問2)で○ウ負債比率を選びます。

(設問2)
 ROAの変動に対してROEの変動を大きくさせる要因として、最も適切なものはどれか。
×ア 安全余裕率
×イ 売上高営業利益率
○ウ 負債比率
×エ 流動比率

ROEの公式が「Ⅳ」でもし出ると、覚えていないと一発OUTに。公式の暗記がマスト、公式を導出できるようにするのがベストです。

企業財務論:企業価値=株主価値+負債価値

企業価値と株主価値の違いで悩んだ時は

H30「Ⅳ」第2問でファイナンス「企業価値」を出したら正答率は5%未満に。この図と「1次」過去問に戻ってやり直し。

H29第18問 配当割引モデル(定率成長)Bランク

企業財務論で一番役立つ「分数」は、配当割引モデル。まず基本の復習を。

画像:SlideShare
当社の前期末の1株当たり配当金は120円であり、今後毎年2%の定率成長が期待されている。資本コストを6%とすると、この株式の理論価格として、最も適切なものはどれか。
×ア 2,400円
×イ 3,000円
○ウ 3,060円
×エ 3,180円

計算式を先に書くと、(配当120円×1.02)/(6%-2%)=3,060円に。定率成長モデル独特の×1.02を忘れると×イ3,000円になってドボン。ですが分母6%で該当する選択肢はなく、「そうそう6%-2%=4%で割る」と思い出させる良問です。

H26第20問(設問3) 企業価値=株主価値+負債価値 Cランク

当問はちょっとしたパズル問題。解き方は過去問解説参照として、「配当割引モデル」を使っている場所に注目。

A 社の財務データは以下のとおりである。なお、A 社の営業利益は、利息・税引前キャッシュフローに等しく、将来も永続的に期待されている。A 社は負債を継続的に利用しており、その利息は毎年一定である。また、A 社の法人税率は 40 % であり、税引後利益はすべて配当される。負債の利子率が 5 %、株式の要求収益率が 9 % であるとき、負債価値と株主資本価値とを合わせた A 社の企業価値を DCF 法によって計算した場合、最も適切な金額を下記の解答群から選べ。
×ア 4,000 万円
×イ 6,000 万円
○ウ 14,000 万円
×エ 14,333 万円

※解き方は過去問解説参照として、企業価値=株主価値+負債価値で求めている所に注目。次に行きます。

H30「事例Ⅳ」第2問(設問3) 企業価値=FCF÷WACC Eランク

企業価値=FCF÷WACCで直接求めることができる。この時も「配当割引モデル」の考え方で。

画像:RECOF
(設問 3 )
(設問 2 )で求めたキャッシュフローが将来にわたって一定率で成長するものとする。その場合、キャッシュフローの現在価値合計が吸収合併により増加した資産の金額に一致するのは、キャッシュフローが毎年度何パーセント成長するときか。
キャッシュフローの成長率を⒜欄に、計算過程を⒝欄に記入せよ。なお、⒜欄の成長率については小数点第 3 位を四捨五入すること。

H30「Ⅳ」第2問(設問3)は、企業価値=FCF÷WACCで求めるパターンです。ただしテキストに掲載はあっても、1次「財務」直近の過去問ではこのパターンの出題が見当たらず、もう少し探してみます。

証券投資論:リターン・リスク・相関係数

分数の使い方

相関係数?共分散?標準偏差? 捨てで良いけど、そこそこ難しいファイナンスの式さえ手計算で覚えてしまうのが、1次「財務」の強み。

画像:アタリマエ!
H29第16問 期待値 Aランク

これは易問。単なる期待値計算。

来年度の当社の売上高は、好況の場合20億円、通常の場合15億円、不況の場合7億円と予想されている。好況になる確率が20%、通常の場合が70%、不況となる確率は10%と予想されているとき、当社の来年度の売上高の期待値として、最も適切なものはどれか。
×ア 13.8億円
×イ 14.0億円
×ウ 14.8億円
○エ 15.2億円

以下に整理し、計算して合計すると○エ15.2一択に。

好況 20×20%= 4.0
通常 15×70%=10.5
不況 7×10%= 0.7

H30第18問 期待値 Cランク

当問も単純な期待値計算。表にある標準偏差+相関係数はダミーのひっかけ。

設問文の標準偏差・相関係数の使い方は、この後の「グラフ」パターンで覚えます。
資産A、Bの収益率の期待値(リターン)と標準偏差(リスク)および相関係数が以下の表のように与えられているとき、資産A、Bを組み込んだポートフォリオの収益率が 16 %になるためには、資産Aへの投資比率を何%にしたらよいか。最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 20 %
×イ 30 %
○ウ 40 %
×エ 50 %

標準偏差・相関係数を見てこの図が浮かんだ早とちりさんには難問。それ以外の方には超易問で、○ウ一択です。

H27第17問 標準偏差 (1)(2) Cランク

本番の手計算では難しいが、電卓orエクセルでの復習にぴったりの良問。

ファイナンスの計算問題は、手書き・電卓よりエクセル一発で理解度もUP。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
E社は、2つのプロジェクト(プロジェクトAおよびプロジェクトB)の採否について検討している。両プロジェクトの収益率は、今夏の気候にのみ依存することが分かっており、気候ごとの予想収益率は以下の表のとおりである。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、E社は、今夏の気候について、猛暑になる確率が40%、例年並みである確率が40%、冷夏になる確率が20%と予想している。
ファイナンスの計算問題は、手書き・電卓よりエクセル一発で理解度もUP。
(設問1)
プロジェクトAに全額投資したと仮定する。当該プロジェクトから得られる予想収益率の期待値および標準偏差の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
×ア 
期待値:1%  
標準偏差: 3.4 %
×イ 
期待値:1%  
標準偏差:11.8 %
○ウ 
期待値:2%  
標準偏差: 3.3 %
×エ 
期待値:2%  
標準偏差:10.8 %

(設問1)はプロジェクトAの期待値2.0%まを求めればウエの2択に。がんばって分散=10.8まで計算するとその√で○ウになります。

(設問2)
2つのプロジェクトに関する記述として最も適切なものはどれか。
○ア 2つのプロジェクトに半額ずつ投資することで、どちらかのプロジェクトに全額投資した場合よりもリスクが低減される。
×イ 2つのプロジェクトの予想収益率の相関係数は0以上1未満となる。
×ウ プロジェクトAのリスクのほうがプロジェクトBのリスクよりも大きい
×エ プロジェクトBの期待収益率はである。

本試験でこんな計算をして良いのは、時間が余ってヒマな方だけ。国語で読んで当てる問題です。

つい×イを選ぶと、相関係数は―1≦0≦1の範囲で動くのでドボン。知識で○アは選べますが、念のためエクセル計算して×ウエの間違いの確認を。

H28第15問 相関係数 (1)Dランク (2)Cランク

H27第17問の類題。本試験中は計算しないで当てるズルを考える。

(設問1)の計算にはこの手順↑が必要。これは手計算では無理。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、3つの投資案(投資案 A〜投資案 C)について検討している。各投資案の収益率は、景気や為替変動などによって、パターン①〜パターン④の4つのパターンになることが分かっており、パターンごとの予想収益率は以下の表のとおりである。なお、この予想収益率は投資額にかかわらず一定である。また、各パターンの生起確率はそれぞれ 25 % と予想している。
(設問1)
 投資案Aおよび投資案Bの予想収益率の共分散と相関係数の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
○ア 
共分散:-15   
相関係数:-0.95
×イ 
共分散:-15   
相関係数: 0.95
×ウ 
共分散: 15   
相関係数:-0.95
×エ 
共分散: 15   
相関係数: 0.95

(設問1)は計算問題に見えますが、共分散・相関係数の±がどう動くかを聞く知識問題です。H27第17問同様に、相関係数はー1≦0≦1の知識があれば、まず相関係数がマイナスのアウの2択に。後は知識ですが、共分散と相関係数の±は必ず一致するので○アに。

こんな暗記は無意味ですが、エクセルでも難しいのに手計算するのは時間の無駄です。

(設問2)
投資案Aおよび投資案Cに関する記述として最も適切なものはどれか。
×ア 投資案Aと投資案Cに半額ずつ投資する場合も、投資案Cのみに全額投資する場合も、予想収益率の分散は同じである。
×イ 投資案Aの予想収益率と投資案Cの予想収益率の相関係数はである。
×ウ 投資案C予想収益率の期待値は64%である。
○エ 投資案Cの予想収益率の標準偏差は、投資案Aの予想収益率の標準偏差の2倍である。

アは×同じ→○異なる、イは×相関係数は最大で1、ウは×64%では儲かりすぎっ。ちょっと不安でも○エを選べます。

H26第18問 相関係数+β値 Dランク ※参考問題

ただの共分散や相関係数なら計算バッチリ。そんな欲張りさんはβ値の算出方法までどうぞ。

相関係数ρが―1≦0≦1の間を動くのは、共分散がマイナスの値を取れるため。その根拠が2証券の逆の値動き(偏差が±逆)までわかると便利。
A証券および市場ポートフォリオの収益率に関する以下のデータに基づいて、A証券のベータ値を計算した場合、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 0.4
×イ 0.5
○ウ 0.8
×エ 2

当問は一見簡単そうに見えて解けません。算出には上図(共分散)の知識が要るので、ここは慌てず鉛筆コロコロ。理解しなければ気が済まない方は、上図のエクセルが役に立ちます。

今日のまとめ

俺は分数の計算なんて嫌い。でも周囲はもっと苦手意識が。

そう、①簿記の苦手意識×②分数・小数への苦手意識をごっちゃにすると、両者がセットになってファイナンスまで苦手にしがち。そうでなく、「Ⅳ」に出る論点は簿記知識を原則使わずに済むよう作問されるので、

経営分析は単なる割り算(分数)の問題と思って解いて良い。
※上記H26第10問の様に簿記知識を使う例外あり。

ふぅん、このクソ忙しい時に、またロクでもないトコにぶっこんで来たね?

いえいえ、ちゃんと根拠あり。今日から「生産管理」と交互に掲載する「財務」過去問対策は、計算パターン別の6回シリーズです。そして「事例Ⅳ」を解くのに、ホントに簿記知識は原則使わずに済むのか? 次回CVP分析(方程式)のネタを読んでからの判断で、遅くはないのです。

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