【口述当日座談会(後)】強みを活かした合格スタイル~3Cの多様化

今年は誰を合格させたのか
~合格スタイルの多様化~

特定のスクール・サークルのやり方を優遇しない。つまり採点基準を後出しで変えてでも、出題側は合格者の多様化を図る。

そんな効率的市場仮説が働く試験では、初学~多年度、通学~独学といった既存の競争ポジショニングではそう勝てない。そこで合格スタイルの捉え方をこう変える。そんな素案を作ってみました。

合格スタイルの多様化を捉える~MKKから3Cへ

古典的な合格スタイル多様化した合格スタイル
Method メソッド
Know-how ノウハウ
Keyword キーワード
Core competence 基礎能力
Competency 行動特性
Control 行動統制

へぇ、どこかで聞いたような話だね? では最新診断士3名の話から、合格スタイルの変化を教わります。

【口述当日座談会(後)】強みを活かした合格スタイル~3Cの多様化

日  時:12/16(日) 13:00~14:30
場  所:Web会議  
参加者:
Aさん(大阪10時台)
Oさん(大阪10時台)
Uさん(東京10時台)
ふうじんF(司会)

2⃣どうやって合格する(How)より、誰を合格させたのか(Who)

F:「なぜ合格したかわからない!」とされる試験では、受験側の関心は「どうやって合格するか」より、「誰を合格させたのか」にシフトしています。「2次」対策の学習スタイルや、学習グループ内の合格率などを教えてください。

A:「2次」対策はスクールを一部利用した他は、独学メインとしました。H30は「1次」免除でしたが、知識強化を狙って7科目を受け、529点(法務+8点加点後)でした。「2次」は過去問が中心になるので、自分なりの工夫や振り返りがカギだと思います。具体的には、過去のパターンやフレームワークを当てはめる「解答」ではなく、事例企業のストーリーを捉えた「回答」をすることだと考えます。

O:昨年「1次」に合格し、今年は「2次」専念にしました。昨年のTACクラスの仲間で週1回集まり、「答えは1つ」を合言葉に事例のベスト答案を決めるディスカッションを中心にしました。その中で、「自分の知識を押し付ける」のでなく、「相手の話を聞く力」が伸びる手応えがあります。

F:グループ学習のメリットとして古くから言われるのは、「誰か1人デキる奴がいる」と互いに真似して相乗的に実力が伸びることがあります。学習グループの人数・合格者数はどうでしたか。

O:学習グループは6名で、うち合格は私1人でした。しかし他の方も「事例Ⅰ」「Ⅱ」は両方A評価の方が多く、グループ学習でのディスカッションの効果と言えそうです。

U:「2次」を4回受けていますが、受験2年目はTAC池袋校の20名でのグループ学習に参加し、とりまとめ役も務めました。自主的なグループ学習を年38回行い、毎回5~10名程度の参加者数になります。当時二次試験を受けた16名中のうち合格者数は1→2→3年目で、3名→2名→4名の9名となります(H30は一次2名、二次2名不合格他は不明)。

早めに受かる、順当に受かる方に共通するのは、国語力の高さですね。逆に国語力は人並みの自覚があれば、試験を複数回受けて合格チャンスを増やせます。

F:国語力の高さが合否に影響するとの見方が、最近強まっています。その点は後で議論を深めましょう。

A:試験傾向の変化としては、「Ⅳ」の計算から記述へのシフトが気になります。H30「Ⅳ」第4問では「業務委託のデメリット」が問われましたが、事例企業D社の状況に即して事例の根拠を使って解答するか、また「事例Ⅰ」っぽい解答で良いかにも悩む所です。

F:「事例Ⅳ」らしく財務・会計面のアドバイスをするのか、「Ⅰ」の様な組織・人材面の助言で良いのか。これは、今日の口述試験の試問内容が判断材料になりますね。

O:古い過去問⇔最新の事例を比べると、「解答の自由度が狭い」。つまり本質の結論部分は決まっていてそこに複数解は存在しない。その代わり結論に至る方法は複数の解答が認められるのでしょう。

3⃣ 合格スタイルの多様化を捉える~MKKから3Cへ

古典的な合格スタイル多様化した合格スタイル
Method メソッド
Know-how ノウハウ
Keyword キーワード
Core competence 基礎能力
Competency 行動特性
Control 行動統制

F:試験傾向や採点基準の進化を受け、受験側がもう一皮剥けないとそう勝てない。そこでいま話に挙がる点をフレームワーク風にまとめてみました。

A:「教わる」「倣う」受け身の姿勢では、とりあえず知っている答えや解決手段を書けば良いスタイルになりがちでは。つまり「顧客との関係性」ときたら「毛筆の御礼状」と答えるパターン解答です。

また古手や大手スクールの事例演習では、その出題意図がわかりにくい例も見かけました。逆に新興のスクールでは、最近の出題傾向を反映した的を絞った解答をさせます。

O:結論部分の答えは1つに絞られる。この勘所が掴めずに、「ボクの解答ではダメでしょうか」を繰り返す方も見かけます。

F:「2次筆記」の狙いはアイデアコンテストではなく、相手が伝えたい意図を汲むこと。そこを外すと、学習努力をするほどスコアが下がる傾向がある様です。

U:受験情報の供給が増えたメリ・デメもあります。例えばTAC2年目での学習グループ内では、A先生派⇔B先生派で流儀が異なり、「2次に使える1次知識キーワード集」の力を鍛えたこともあります。ただこの時は、実力が上がる手応えがあるのに、「2次」協会評価のスコアが下がり続けました。

具体的には、与件と離れたキーワードの羅列は逆効果になります。そこで自分が「知識を使いこなすタイプではない」と判断すれば、与件根拠の表現を素直に使う抜き書き派にシフトできます。

A:私は書くのは早いが、解答骨子をまとめるまでの「考える時間」が長い傾向でした。そこでロジカルシンキング/ライティングの本を入手し、普段から心がけて仕事に使う工夫をしました。

4⃣ 「2次」筆記と国語能力

F:冒頭のUさんの話で、「国語能力の高い方は、短期間で順当に合格」という指摘がありました。この点で、ご自身の国語力とそこを踏まえた「2次」対策のポイントを教えてください。

A:人並み以上の国語力はある方です。ただ前述の通り解答骨子の作成に時間がかかる問題がありました。今振り返ると、解答骨子を下書きしてから解答用紙に書く習慣がついていました。逆に10月試験直前期のブログに、「与件の使える根拠にアンダーラインをして抜き書き」する提案があり、これを採り入れて時間が縮まりました。

O:同じく人並み以上の国語力がある方です。むしろ80分の試験時間が余る方だったので、もっと思考を深める余地があるはず。そう思って「2次」対策を進めました。

U:私はビジネスやプレゼンは苦にしませんが、「文章で表現する」点では、学習グループ20名の下位2~3割だと自認しています。そこで普段のビジネススタイルを活かし、長い文章を論理的に書くより、箇条書きの短文を簡潔に並べる解答方針を採りました。

5⃣これから学習する方へのアドバイス

F:今年は誰を合格させたのか。そんな話題が挙がる試験では、どうやって合格するか(How)より、どんな方を合格させるか(Who)に関心が移りそうです。ではまず、最新診断士としてのこれからの活動予定を教えてください。

A:まず実務補習→診断協会加入という通常のルートに入り、診断士としての活動領域を探っていきます。「診断士に求められる能力」とは何かも、そこから見えてくるでしょう。

O:銀行勤務で普段から企業経営者との接点があり、その中でビジネススキルをさらに鍛えます。また昨年合格の診断士の方が身近におり、その方の動きを参考にできます。

U:現勤務先から、講師などの副業OKの内諾を得ており、また実際に企業の中に入り込むコンサルタント活動にも興味があります。

F:では最後に、これから学習する方へのアドバイスをお願いします。

A:今日話題に挙がった「診断士に求められる能力」をまずイメージしてはどうでしょうか。逆に試験合格への意識ばかりが高まると、「なぜ合格したかわからない」。この試験の合否が運試し、運ゲーであるような誤ったメッセージに惑わされます。

O:「2次筆記」の解答の自由度は狭い。つまり用意された結論は1つである覚悟を決め、「ボクの解答ではダメですか」の甘えを捨てる。そうしないと遠回りになってしまいます。

U:「1次」のマークシート7科目の試験対策は、ビジネススキルが身に付く効果があります。また「事例Ⅳ」では簿記・会計とは異なる、企業財務の見方を学べます。試験合格とは結果の一つであり、ビジネススキルを磨く意識を高める方が結果が出やすい。そう捉える方が良さそうです。

Aさん、Oさん、Uさん、口述試験当日の解放感も束の間、試験の変化と「今年は誰を合格させたのか」の情報提供ありがとうございました。
そしてスクール・サークルの殻を破った先のイノベーション。多様な合格スタイルの体験記のご提供を引き続きお待ちしております。

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その爽やかさが進化の手応え。

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