【ミクロ】過去問タテ解き #3市場均衡

A経済学

お互いもっと儲けようぜ。

消費者+生産者余剰を全体最適視点で最適化。はたまた貿易を行い余剰を増やす。「ミクロ」試験委員は、とかく「経済全体がハッピーな状態」が大好き。そしてムダや規制が大嫌い。

その前提で読み返すと、§3市場均衡の過去問はスラスラ解けます。

今日のタテ解き~§3市場均衡

H25~29過去問タテ解き表(スピテキページ付き)

市場均衡

H29 第18問 Bランク
商品には、新しく登場するものや、市場から姿を消すものがある。その過程を説明する下図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a  右図では、当初、この商品の限界費用がとても高いので市場が成立していない。
○b 左図では、技術進歩によって供給曲線 S がシフトするにしたがって、この商品の市場が成立する。
○c 右図では、代替品の登場によって需要曲線 D がシフトすれば、この商品はやがて市場から姿を消す。
×d 左図では、市場への新たな生産者の参入で需要曲線 D がシフトすることにより、市場が成立する。
×ア aとb
×イ aとd
○ウ bとc
×エ cとd

当問はテキストレベル。というより身の回りの実際からテキスト知識を教える、「例題」レベルのサービス問題。ここは素直に正確○ウで4点いただき。

H28第14問 Cランク

下図には、相対的に緩い傾斜の需要曲線が破線で描かれ、相対的に急な傾斜の供給曲線が実線で描かれている。これら需要曲線と供給曲線の交点は、点 E として与えられている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
△ア 供給曲線が右下がりであるため、ワルラス的調整を通じて点 E へ収束する力は働かない。
△イ 供給曲線の傾きが相対的に急であるため、「蜘蛛の巣理論」による調整を通じて点 E へ収束する力は働かない。
○ウ 交点よりも価格が高いとき、需要量よりも供給量が多いため、価格調整を通じて点 E へ収束する力が働く。
×エ 交点よりも数量が少ないとき、供給価格が需要価格よりも高いため、マーシャル的な数量調整を通じて点 E へ収束する力が働く。

当問は、ワルラス(価格)調整⇔マーシャル(数量)調整の知識を問いますが、供給曲線S(や需要曲線D)がいつもと逆の傾きになり、普通は理解に苦しみます。毎年出る問題ではなく、手を出すと他の論点まで混乱するので、鉛筆転がしでOK。

余剰分析

H26第14問 Cランク
下図には、ある財市場における生産者の供給曲線と消費者の需要曲線が描かれている。ただし、当該財には税が課されており、課税前の需要曲線と、課税後の需要曲線とが示されている。この図に関する説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 課税によって発生する死重損失のうち、消費者の損失分は△BDGで示される。
×イ 課税によって発生する死重損失のうち、消費者の損失分は△CDEで示される。
○ウ 需要の価格弾力性が相対的に小さいため、租税の影響は消費者への帰着がより大きい。
△エ 線分BFは、消費者が直面する課税前の購入価格と課税後の購入価格の違いを示している。

買い手への課税についての余剰分析の問題ですが、これはぜひ取りたいCランク。まず当問のエは、つい○をつけたくなるひっかけ。その理由=どこが間違いなのかは解説使い自分で確認。

正解ウは、H24第14問Aランクと同じ知識で、言い回しを少し変えたもの。古い過去問をお持ちの方は、見比べてみてください。

H26第17問 Bランク

下図は、標準的なエッジワース・ボックスであり、左下にAさんの原点、右上にBさんの原点がとられている。横軸はAさんにとっての財Xの量xAとBさんにとっての財Xの量xBを意味し、縦軸はAさんにとっての財Yの量yAとBさんにとっての財Yの量yBを意味している。図中にあるAさんの無差別曲線はAさんの原点に近い側からUA1,UA2,UA3,UA4となっている。Bさんの無差別曲線はBさんの原点に近い側からUB1,UB2,UB3,UB4となっている。点C,点D,点F,点Gは、AさんとBさんの無差別曲線が接する点であり、これらの点を結んだ軌跡が右下がりの実線として描かれている。この図に関する説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 ×ア Bさんにとって、点Gは、点Eよりも効用が高い。
 ×イ Bさんにとって、点Gは、点Iよりも効用が高い。
 ○ウ 点C,点D,点F,点Gはパレート最適であり、これらの点を通過する右上がりの実線は「契約曲線」と呼ばれる。
 ×エ 点Cと点Dは、AさんとBさんの双方にとって無差別である。
 ×オ 点Dは、点Gに比べてパレートの意味で効率性を改善する配分である。

え、この意味不明な問題がBランク? それはエッジワースボックスは、H25と2年連続で出題されているから。出題者は、前年出した問題で正答率の低いものは翌年も出題し、当てて欲しい。だからいったん過去問の答えを覚えてOKなのです

貿易

H27第21問 Aランク
TPP協定では、関税引き下げが交渉されている。いま、ある農産物の輸入には禁止的高関税が従量税で課されており、輸入が起こらない状況であるとする。そこに、当該農産物の輸出国との間で貿易交渉が行われ、関税が大幅に引き下げられた結果、この農産物は図中のP1の価格で輸入されることとなった。関税が引き下げられた場合の余剰と輸入量に関する記述として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 生産者余剰は減少し、消費者余剰は増加するものの、両者の余剰合計は変わらない。また、輸入量はQ3となる。
○イ 生産者余剰は減少し、消費者余剰は増加するが、両者の余剰合計は増加する。また、輸入量は「Q3-Q1」となる。
×ウ 生産者余剰は増加し、消費者余剰は減少するが、両者の余剰合計は減少する。また、輸入量はQ1となる。
×エ 生産者余剰は増加し、消費者余剰は減少するものの、両者の余剰合計は変わらない。また、輸入量は「Q3-Q2」となる。

従量税か関税の面積パズルの問題は、毎年1マーク出ると思ってOK。両者をごっちゃにしないよう、論点タテ解きすれば必ず取れるサービス論点です。

H28第19問 Cランク

いま、A さんと B さんだけが存在し、それぞれコメと豚肉のみが生産可能な世界を考える。下表は、A さんと B さんが、ある定められた時間 T のすべてを一方の生産に振り向けた場合に生産可能な量を示している。また、下表にもとづく人の生産可能性フロンティアは、下図にある右下がりの直線のように描けるものとし、A さんと B さんは、自らの便益を高めるために生産可能性フロンティア上にある生産量の組み合わせを選択する。
このような状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア A さんは、いずれの財の生産においても、B さんに対して比較優位を有するために、B さんとの生産物の交換から便益を得ることができない。
×イ A さんは、いずれの財を生産するにせよ B さんよりも生産性が高く、絶対優位を有するために、B さんとの生産物の交換から便益を得ることができない。
△ウ 比較優位性を考慮すると、A さんはコメの生産に、B さんは豚肉の生産にそれぞれ特化し、相互に生産財を交換し合うことで、双方が同時に便益を高めることができる。
○エ 豚肉の生産について、A さんは B さんに対して比較優位を有する。

当問は、なんとなく△ウを選びたくなる様に作られています。でも正解は○エ。

長い選択肢を読まされると、考えることが段々面倒になってくる。そこで選択肢をエ→アの逆順に読むテクニックも有名です。

今日のまとめ

一見わかりにくいけど、やりたいことは面積パズル。

ワルラス・マーシャル調整に、従量税、貿易、関税、比較生産費説。一見バラバラ論点がごった煮された§3市場均衡の章ですが。

要はパズルの面積(余剰)を、ムダなくもっと大きくしたい。

そこを押さえると。§3の過去問は、やはりスラスラ解けそうです。

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    コメント

    1. 匿名 より:

      ○H28第14問:より詳しく言えば、こちらの3回シリーズ解説
      ⇒Xレイさんの記事は秀逸ですね。読みごたえがあり過ぎます。
       同じマチの同じ業界で、このような逸材がいるとは…。

      ○H26第14問:H24第14問の正解アとの言い回しの違いが「需要の価格弾力性」
       ⇒正解ウを選べずひっかけエでドボン、でした。
        H24は『需要曲線は供給曲線に比べて価格弾力性が高い』で、具体的な言い回し。
        H26は『需要の価格弾力性が相対的に小さい』で、H24より抽象的な表現。
        具体的な言い回しだと、あいまいな知識でも正解を選べそうですよね。
        余剰については、均衡点より需要曲線側が消費者、供給曲線側が生産者なのでしょうが、課税されると、政府余剰と死荷重=総余剰の減少?が発生するので、理解があやふやになってます。
        
        

      • ふうじん より:

        >Xレイさんの記事は秀逸ですね。
        はい、丁寧さ、わかりやすさが図抜けています。彼は独学で、自ら考えたことが寄与していると思います。

        >H24は・・、H26は・・、
        通常、弾力性概念まで理解する時間はありませんので、過去問の言い回しを覚え、同じ問題が出たら当てる・・位で良いかと思います。

        >均衡点より需要曲線側が消費者、供給曲線側が生産者
        その通りです。これに「消費者・生産者・政府の誰の利得にも属しない所は死荷重」ルールにすれば、過去問と同じ問題なら解けます。

    2. 匿名 より:

      ○H26第17問
      ⇒点G,Dはパレート最適なので、余すところなく最も効率的に資源が使われているが、A,Bへの配分が平等かどうかは問題としていない、ということでしょうか。

      ○H27第21問
       輸入量「Q3-Q1」の時点で正解イを選べるが、アウエのどこが間違いかもしっかり押さえる。超高関税で輸入が起きないよりは、いくらかの関税は残しても社会的余剰は増加と説明する良問(易問)。
       ⇒確かに、イを選んで終わらせてました。生産者余剰は減るが、それ以上に消費者余剰が増えるので、社会的余剰は増えるんですね。この場合、関税による政府余剰も、輸入分だけ増えるのでしょうか。

      ○H28第19問 選択肢は常にエ→アの順に逆から読むのも、受験テクニックとして古典的。
       ⇒そうだったんですね。知りませんでした。

      ○「石川の経済」の様な良テキストの収録論点すべてを満遍なくつぶすより、「試験委員が今何を教えたいか」を忖度すれば、短時間で一旦高得点。答えを一旦覚える→養成答練80点。5月まで一旦忘れ、その後で理解を再開。
       ⇒養成答練が何なのかは分かりませんが、5月まで一旦忘れた後で再開、というのは、ほかの科目の勉強もあるから、ということでしょうか。

      • ふうじん より:

        >H26第17問
        →エッジワース・ボックスの理解はこちらのPDFでいかがでしょうか?A,Bの2人がx、yの2財をいろんな組み合わせで持つ時、その時の最適な組み合わせが「契約直線」であると説明しています。
        >H27第21問、関税による政府余剰も、輸入分だけ増えるのでしょうか。
        →増えます。TAC過去問H27第21問の解説と、H26第21問を解き直すとイメージできると思います。

        >5月まで一旦忘れた後で再開
        →あくまで受験校通学コースの場合ですが、この後は、情報・法務・中小と暗記科目対策に専念します。その間「経済」の知識をずっと覚え続けるより、一度忘れてしまい、5月にまた思い出す方が、知識が定着=長期記憶化しやすいと言われています。

    3. 匿名 より:

      ○エッジワース・ボックスの理解はこちらのPDFでいかがでしょうか?
      ⇒大変分かりやすいです!ありがとうございます。
       何かのテキストのようですが、差支えなければ何のテキストかを教えていただけますか。

      ○H26第21問を解き直すとイメージできると思います。
      ⇒過去問解説で分からない個所があります。
       関税撤廃前の消費者余剰にeが含まれていますが、eは政府余剰=関税収入だと思います。
       問題文に『関税収入は消費者に分配されていた』とあるので、消費者余剰に含めており、何も指定がなければ、通常はeは政府余剰=関税収入と考えてよいでしょうか。

      • ふうじん より:

        >何かのテキストのようですが
        →東洋大学川野ゼミとなっています。
        http://www2.toyo.ac.jp/~kawano/
        先ほどのPDFリンクは、Googleの検索結果ですが、本来HPにリンクを張る際はトップページが望ましいとする見方もあり、今後は留意して参ります。

        >通常はeは政府余剰=関税収入と考えてよいでしょうか。
        →はい、テキスト通り、eは政府余剰です。なお「関税収入は消費者に分配されていた」の補足がなくてもイウエは×がつきます。出題者は親切に補足したつもりでも、受け手からすると「余計な条件書くなよ」ですね。