【グラフのパターンで解くミクロ】#3余剰分析~面積パズルをコツで解く

解き方を一度知ったらパズルは簡単。

画像:Kumon Shop

古くはルービックキューブやテトリスに始まり、面積系のパズルは頭の体操にもってこい。でもすぐ飽きるのは、「パズルには必勝法があり」「一度答えを知ると二度と間違えない」から。

そこでこの法則を「ミクロ」後半(市場均衡→不完全競争→市場の失敗) に当てはめると、出題されるのは同じような面積パズルばかり。だから必ず当たります。

社会的総余剰=○○者余剰+△△者余剰

あの石川先生だって面積パズルで説明するし、一度コツを掴むと二度と間違えない。だから、何かのパズルゲームの如く、コンボ効果で連鎖的に荒稼ぎ。診断士「経済」では「マクロ」より「ミクロ」の方が易しい理由がここです。

ではどんな出題がされ、なぜ必ず当たるのか。早速見ていきます。

【グラフのパターンで解くミクロ】#3余剰分析~面積パズルをコツで解く

1⃣市場均衡

H29第18問 均衡の変化 Bランク

右肩上がりの供給曲線Sと、右肩下がりの需要曲線Dを学んだ。だから交点や傾きが大事だろう。そんな予想を「ミクロ」は見事に裏切ります。

商品には、新しく登場するものや、市場から姿を消すものがある。その過程を説明する下図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
×a 右図では、当初、この商品の限界費用がとても高いので市場が成立していない。
〇b 左図では、技術進歩によって供給曲線 S がシフトするにしたがって、この商品の市場が成立する。
〇c 右図では、代替品の登場によって需要曲線 D がシフトすれば、この商品はやがて市場から姿を消す。
×d 左図では、市場への新たな生産者の参入で需要曲線 D がシフトすることにより、市場が成立する。
×ア aとb
×イ aとd
〇ウ bとc
×エ cとd

超イージーなサービス問題。×をつけて落とすクセがあれば、aは×右図→○左図、dは×需要曲線D→○供給曲線Sに直して、○ウbc一択。

ミクロはこの「交点問題」では簡単すぎるので、次の余剰分析以降の「面積パズル」問題の出題が殆どです。

2⃣余剰分析

H29第10問 消費者余剰 Bランク

消費者余剰はグラフで一発。思ったより安く買えたらコスパが最高。

画像:株の学校
価格と消費者余剰について考える。下図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 価格が P0 のとき、消費者が Q0 を選択する場合の消費者余剰は、消費者の支払意思額よりも大きい
〇イ 価格が P1 のとき、消費者が Q1 を選択する場合の消費者余剰は、Q0 を選択する場合の消費者余剰よりも大きい。
×ウ 価格が P2 のとき、消費者が Q1 を選択する場合の消費者余剰は、Q2 を選択する場合の消費者余剰よりも大きい
×エ 価格が0のとき、実際の支払額は0なので、消費者が Q0 や Q1 を選択しても、消費者余剰は得られない

消費者余剰とは、当問のグラフのどの部分か。正解は〇イ一択なので、アウエのどこが間違いか、テキスト代わりに使える基本問題です。

H30第10問 生産者余剰 Bランク

生産者余剰もグラフで一発。思ったより高く売れたら儲けが最高。

生産者余剰について考える。いま、A〜E の 5 つの企業から構成される社会を想定する。下図では、それぞれの企業が、生産を継続するために最低限回収しなければならないと考える金額(生産物 1 単位当たり)が示されている。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 市場価格が400 円を上回れば、 5 つの企業すべてが生産を行う。
×イ 市場価格が 600 円の場合、 3 つの企業は生産を行わないので、社会全体の生産量は 2 単位である。
〇ウ 市場価格が 1,400 円の場合、社会全体の生産者余剰は 1,800 円である。
×エ 市場価格が 1,600 円を上回ると、生産を行うのは E のみである。

計算問題は教育効果が高い。「経済」では珍しく計算させる当問は、生産者余剰のマスターにマストなテキストレベルの良問です。

ます正解は問答無用で○ウ一択。次にアは×400円→○2,000円、イは×600円→○800~1,199円、エは×Eのみ→○E以外のA~D社が生産です。ここで○○者余剰の考えをマスターすることで、「ミクロ」の面積パズル問題は全問正答できます。

H30第14問 社会的総余剰 Cランク

要するに三角形(サンドウィッチ)の上と下。「ミクロ」の面積パズル問題はコツを掴むと全問正解に。

下図は、労働市場の需要曲線と供給曲線を示している。D は労働需要曲線、S は労働供給曲線であり、均衡賃金率は W0 である。労働市場における所得分配に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア 最低賃金率を W1 に設定すると、市場均衡と比較して、企業の余剰は増加する。
×イ 市場均衡において企業が労働者に支払う賃金は □OBEN0 である。
×ウ 市場均衡における労働者の余剰は、△AW0Eである。
〇エ 労働供給が増加すると、当初の市場均衡と比較して、企業の余剰は増加する。

上に引用した手書きグラフの斜線部分が生産者余剰+消費者余剰=社会的総余剰です。そして同じ考え方のパズル問題が延々出題されるので、当問のように軸が少し変わっても気にしません。

正解○エは、労働供給曲線Sが右シフトし企業の余剰(△の上半分)が増えます。アは×増加→減少、イは□OW1EN0、ウは△BW0Eです。ウが紛らわしいので正答率がCランクに。

3⃣パレート効率性

H26第17問 パレート効率性 Bランク

1財だけで総余剰なんて甘っちょろい。俺は「x,yの2財」で考えるぜ。すぐ余計なコトを考え出すのが「経済学」の欠点で、ある意味点の取り所。

下図は、標準的なエッジワース・ボックスであり、左下にAさんの原点、右上にBさんの原点がとられている。横軸はAさんにとっての財Xの量xAとBさんにとっての財Xの量xBを意味し、縦軸はAさんにとっての財Yの量yAとBさんにとっての財Yの量yBを意味している。図中にあるAさんの無差別曲線はAさんの原点に近い側からUA1,UA2,UA3,UA4となっている。Bさんの無差別曲線はBさんの原点に近い側からUB1,UB2,UB3,UB4となっている。点C,点D,点F,点Gは、AさんとBさんの無差別曲線が接する点であり、これらの点を結んだ軌跡が右下がりの実線として描かれている。この図に関する説明として最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア Bさんにとって、点Gは、点Eよりも効用が高い。
×イ Bさんにとって、点Gは、点Iよりも効用が高い。
○ウ 点C,点D,点F,点Gはパレート最適であり、これらの点を通過する右上がりの実線は「契約曲線」と呼ばれる。
×エ 点Cと点Dは、AさんとBさんの双方にとって無差別である。
×オ 点Dは、点Gに比べてパレートの意味で効率性を改善する配分である。

え、この意味不明な問題がBランク? それはエッジワースボックスは、H25→26と2年連続で出題されたから。

診断士受験の学習パターン上、過去問で出た問題は周囲も必ず当ててくる。そこでH26のこの問題より、H30の正答率の低い問題が再出題されると睨むのが上策です。

4⃣国際貿易

H29第21問 貿易と関税 Bランク

TPPにFTA。国家政策上欠かせない「貿易と関税」は、年1マーク必ず当てる重要論点。

昨今、WTO を中心とする多国間交渉はうまくいかず、FTA のような比較的少
数の国の間の交渉が増加している。
下図は、関税引き下げによって輸入品の価格が P0 から P1 に下落する場合を描いている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ
×ア 関税引き下げ後、国内の生産者余剰は、引き下げ前より三角形 FGH の分だけ減少する。
×イ 関税引き下げ後、消費者余剰は、関税引き下げ幅に輸入量 CG を乗じた分だけ増加する。
〇ウ 関税引き下げによる、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形P0FGP1 である。
×エ 関税引き下げによる貿易創造効果は、四角形 BCGF の部分である。

ネットでたまたま見つけた経産省HP【60秒解説】は、試験に役立つものばかり。すなわち、政策上の大事なことを事前に学習済なのが、診断士の強みそのものに。

当問はいつもの面積パズルで解くので、○ウが正解そのもの。アは×△FGH→□P0FGP1、イは□P0BCP1、エは×□BCGF→○△FGH+△BCI(死荷重の解消)です。

H29第20問 比較生産費説 Bランク

国家政策上、関税を引き下げてでも自由貿易が望ましい。その説明が比較生産費説。

下表に基づき、国際分業と比較優位について考える。製品P1個を生産するの
に、A国では5人の労働が必要であり、B国では 30 人の労働が必要である。また、製品Q1個を生産するのに、A国では5人の労働が必要であり、B国では 60 人の労働が必要である。
このような状況に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
×ア A国では、製品Qの労働生産性が相対的に高いので、製品Qの相対価格が高くなる。
×イ A国は製品Qに絶対優位があり、B国は製品Pに絶対優位がある。
×ウ B国は、A国に比べて、製品Pについては 1/6 、製品Qについては 1/12
生産性なので、製品Qに比較優位を持つ。
〇エ 1人当たりで生産できる個数を同じ価値とすると、A国では、製品P1個と製品Q1個を交換でき、B国では製品P2個と製品Q1個を交換することがで
きる。

分数が不得意だと苦手にしがちですが、比較生産費説は国際分業の必要性を説く大事な理論です。選択肢の作りは多様なので、1選択肢ずつ丁寧に×をつけてここは理屈で押さえます。アは×高く→○低く、イは×製品Q→製品P・Qともに、ウは×製品Q→○製品Pです。

今日のまとめ

解き方を一度知ったらパズルは簡単。

それは余剰分析とは、消費者余剰(青)+生産者余剰(赤)=社会的総余剰。上下2つの三角形(サンドウィッチ)の三角形が大きいほど全員ハッピーに。そこそこ難しいことを全員が納得できるよう、グラフで直感的に示すものだからです。

さらにこの面積グラフの解法パターンは、不完全競争(スピテキ第4章)、市場の失敗(〃第5章)にそのまま使える。つまり上のパズルの仕掛けを一度覚えると、「ミクロ」でこの先失点をする理由がないのです。

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