よく「こんなこまごまと書いて、大丈夫なのか?」と聞かれることがあるのですが、正直全く問題ないですね。巷の教科書に比べてたかだか「3~4ページ」の内容を覚えるだけ、しかも何かを一生懸命暗記するというよりは「解くうえでの注意事項集」みたいなものですから、これだけ気にかけて解答すれば及第点となるだけ。ただそれだけ、だけどそれを守るのが難しい・・・。
では続いての内容ですね。
HAKS流 2次ノート「Ⅰ」~設問分析(後)
前提知識~ハードとソフト
ここの話はMMCの教科書の解答レイヤーの話をベースに軸になる1次知識を「ハード・ソフト」に分類したものだ。
ハード | (効果) |
組織構造 事業部制組織、機能別組織、PJチーム | 専門化の原則、コア資源の集中、縦割りの弊害の除外 |
組織階層 フラット化、スリム化 | 縦方向のコミュニケーション=意思決定伝達の迅速化 |
コミュニケーション 定期的な会議、交流会、配置転換 | ・横方向のコミュニケーション、特に離れた事業所がある場合には有効 ・失敗体験、成功体験の共有にも有効 |
権限委譲 意思決定の権限委譲 | 意思決定の迅速化、従業員のモラール向上 |
採用、配置、能力開発、評価、報酬、モラール向上、権限委譲、定着率向上
組織がダメになってしまう「人の気持ち」
出動要件具体策は下記一覧、属性分けでは下記の通り。(与件本文に下記の様な記載がないかを探る。解答上に「埋没コスト」とかは書かない。あくまで経営学的に組織の課題を探るためのツールとして使う。)
埋没コスト 既得権益 成功体験 有能性の罠 | ルーティンワーク 低次学習 | 失敗の責任 |
過去の栄光に捕らわれる私 | 仕事にやりがいを感じられず、突発的な事に対応できない私 | 責任と権限の一致が図れず、不満を持っている私 |
イメージは「ごはん」を想像してほしい。ハードは「皿」で、ソフトは「ごはんやおかず」だ。“瀬戸物の茶碗に白米”を入れれば「主食」となる効果になるように、“事業部制組織で成果報酬型の人事制度”であれば、「迅速な意思決定と利益責任が強く、成果に連動するので、独立的だが利己的な運営になりがちである」と答えられる(最も、与件本文の他の記載にも注目するが)。
この時に設問を分析して、何らかの「組織(=ハード)・人事(=ソフト)」の話をしているのならば、「事例Ⅰ(組織・人事)」のタイトルに従って、その両面の切り口で解答を組み立てれば、「間違えとは言えない」上に、抜け・漏れなくロジカルな解答に近づく。
2⃣設問分析
(4)“間(あいだ)”問題戦略は徹底して「ハード・ソフト」
H29の問題の様に「戦略的メリット」と堂々と書いてくれていれば悩まないが、ここは非常に悩ましい。
そんな時にはHAKSは「ハード・ソフトの2面で解答する」というシンプルな作戦を推奨する。
経営戦略を立案するにあたっては、エーベルの3次元枠組み(顧客層、機能、技術)でドメインが決まるため、与件文もそれに基づいた記述スタイルをとる。すると「誰に、何を、どのように」といった形で記載される傾向にある。外部環境・内部環境の分析ではこの点を説明する事は「題意から外れている」とは言えないため、ここは戦略としてしっかりと書いていくべき。
とは言え、事例Ⅰを意識して「差別化」「高付加価値化」→「優位性」で結ぶと戦略っぽくなる。
過去ラインの有効活用 |
「過去の話か?」「今の話か?」「将来の話か?」の3つの時間にしっかりと切り分ける。そうでないと解答にまったく違う時代の話を書いて「0点」リスクを背負うので、各自、自分のわかりやすいマークで「時制」を意識して解答してほしい。(この点は受験校の模範解答や採点基準も準じているので100%みんなが間違えてはいけないという理解でいいと思う) |
【過去時制問題】 : 成功体験から得られた強みの洗い出し、失敗体験から得られた教訓の洗い出し 【現在・未来問題】 : 成功体験からのコアコンピタンスの活用・維持・強化、失敗体験からの現在・未来の対策 →これで経営課題に立ち向かっていく! |
この時制をはっきりすることで全体戦略の「成功・失敗体験」が生きてくる。 |
課題と対応策問題 |
これはHAKSはいつかはこういう質問のされ方の問題が出るだろうと思って、準備していて、、とうとうH29の事例Ⅲで出てきた!この時は心の中で「ガッツポーズ」をした(笑)。課題と対応策と言うのは実は日本語として非常に難しい。 「課題」と「問題」の間には日本語として違いがあるのは皆さんご存知のとおり。 |
「課題」: 問題解決への取り組み=解決策を一部包含してしまう。。。。 |
「問題」: 現状起きている、観測可能な事実のこと |
であるから、「解決策を二重で答えなくてはいけない」ナンセンスな言葉になる恐れがある。 |
そこで、次のように解答する。(これは昨年の事例ⅢのHAKSの解答から)
課題は①組立工程を加味した生産計画を立てる必要がある点②CNC制御装置製作企業への外注部品の発注管理の必要がある点③受注生産の余力を考慮した生産をする必要がある点。対応策は①両加工工程に組立工程を加味し一括した生産計画の立案をする事②外注企業にカムアップシステム等で納期等管理をする事。
要は多少の言葉の構造は違えど「〇〇しなくてはいけない課題に対して、××な対策をする事」と言う日本語にすれば違和感がなくなる。また、これをしっかりと「附番」して分散解答することで、リスクの少ない解答に仕上げていく癖をつける。
ここまでの①設問分析の「お約束」を守って、②解答フレームを作りあげて事前に準備することで、③次からの大枠把握=与件本文の読み方のクオリティーが変わる。
それでは「大枠把握」はまた次回に~。
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