簿記を問わない「事例Ⅳ」があれだけ難化するのは、「管理会計」のセンスを問うため。4/11にTACの解き方第2版が発売され、Ⅳを待ちきれないあなたのためにGWはマンガで特集です。

★To-Be目指す答案

【EBA】2次対策ガイダンス~再現答案のA⇔D評価はここが違う

合格スタイルは2択で選ぶ。

スタイルAスタイルS
人並み当たり前60点狙い澄ました70点
1点を争う激戦区混雑しない快適ゾーン

「無料」につられ、当サイトが喜び勇んで参加した「初学者向け2次ガイダンス」。そうかというか、やはりと言うか。

ガイダンスというより、無料体験講義。

つまりスクールとしての損益分岐を既に超え、これ以上合格者数が増えると「狙い撃たれる」規模になったEBA。するとそのガイダンスがこうなることに、納得です。

有料受講者の勧誘が目的ではなく、
最新の合格スタイルを積極発信し、
向学心の強い方を引き寄せ自校を有利に。

さてその不親切なガイダンスから得た、当サイトの気づきはこう。

①「2次」対策は出題の趣旨の理解からスタートし、
②出題側が期待する受け答えに努めれば70点に。
③そこで再現答案における加点・減点要素に学び、
④出題側が嫌がる答案を避ければ合格ライン。

なんだ、「人並みで当たり前の答案」なんて昔の話? いえいえ、それは変わらず合格スタイルの根強い一つ。70点を狙い澄まして取るもう一つの選択肢が増えたという話です。ではガイダンスの要旨を無料でどうぞ。

1⃣セミナー導入 ~再現答案分析とは

①「1次」総括及び「2次」スタートに向けて

「1次」本試験では、科目難化+足切り+救済の傾向が目立つようになった。これは、「2次」で一定の合格者数+合格倍率にするには、「2次」受験者数を安定させる必要があり、科目難化の足切りや救済で調整をしているためと言われる。

診断士「1次」は出題範囲が広いため、出題側は過去問の傾向通りに出すか、傾向を変えるかで、得点を恣意的に操作できる。今日参加している方は「1次」通過の手応えを得た方が中心であるが、そうでない方も「合格基準の弾力化(+4点や59%合格)」がある前提で、「2次」の準備をスタートすることが望ましい。

②ここ2年の「ストレート合格者」の増加

「2次」の合格者構成を見ると、ここ2年は「ストレート合格者」の数が大きく伸びた。これは従来型の受験指導により「パターンや型」を「技術的に身に付けた」方が書く答案を出題側が嫌い、むしろ「文章の変な型のクセがない」答案に高得点を与える様に変化したためと考えられる。

③EBAスクールの「2次」指導方針~前年再現答案の分析

そこで当スクールの初学者対象の2次クラスでは、

採点者に刺さる答案
=「解答の型」ではなく、「好まれる、嫌われない表現の仕方」

に注目した指導を予定しており、「前年再現答案の分析」がそのベースになる。

「導入」まとめ~A評価・D評価の違い

受験技術が高度化すると、従来の与件の根拠をコピペ・切り貼りする答案ではB・C評価にとどまりやすい。すると1,000人以上が1点を争う「240点ボーダーライン」の戦いになるが、その最混雑区でなく、「250点超え」の空いているゾーンを狙うため、A⇔D評価の違いを事例別に具体的に見ていく。

2⃣事例別再現答案分析

H29「事例Ⅰ」

第1問

Q:人気商品にさせた「最大の要因」を(中略)、「100字以内」で答えよ。
難しさ:「最大の要因」なら挙げることは1つだけ。ところが100字で解答するには、解答要素が複数必要。

A評価
→複数の解答要素を、「最大の要因」として1つにまとまる様に記述する。

D評価
→複数並列列挙や箇条書きの答案。または「本人は1つにした」つもりでも、複数要素に見えてしまう答案。つまり「複数の根拠を盛り込んで強引に1つにつなげた」ため、日本語の文章になっていない(因果関係がつながらない)答案。

第2問

Q:A社の経営体制には、どのような特徴があるのか、100字以内で答えよ。

A評価
→「経営戦略レイヤー」の出題と捉え、「効率的な経営体制」に関する特徴を忠実に記述する。

D評価
→「事例Ⅰでは組織論を書くのでちゅ!」。聞かれてもいない機能別組織の特徴の一般論を延々と書く。 ※レイヤー判断の誤りは大事故に。

第3問
→差がつかないサービス問題(工業団地に移転した戦略的メリット~根拠の抜きや一般論で)

第4問
Q:ビジョンの達成を模索する上で障害となるリスクの可能性について助言せよ

A評価
→当問はレイヤー判断で大差に。後出しで考えると、「ビジョンの達成」→「経営戦略レイヤー」として、前身X社の失敗例を中心に解答を構成。

D評価
→「組織レイヤー」と判断し、ここも一般知識を持ち込んで解答を構成。この大事故は第2問が「前フリ」になっていて、第2問を「組織構造」、第4問を「組織行動」として回答すると、一見完成度の高い見事な答案に。ところがレイヤーズレの事故になり、第2、4問で大きく失点することでD評価=一発退場OUTに。

第5問

A評価
→全5問中唯一、「組織レイヤー」から出題。官僚制組織の逆機能で。

D評価
→組織文化・学習・変革で。

※当サイト注
「事例Ⅰ」の最終問題第5問で、150字20点の問題の答えを緻密に作ったら時間が足りません。ここは、「与件にない「1次」知識の一般論で回答するな」「できる限り与件の根拠に沿って回答せよ」と解釈します。

「事例Ⅲ」

第1+2問

第1問「生産管理上の課題」、第2問「生産業務上の課題」でレイヤーを分けて解答できたかが評価の差。

D評価
→第1問で「生産業務」、第2問で「生産管理(=生産計画)」の記述をすると、採点側が期待する内容と異なり、悪印象=低得点になる。

第3問

Q:潜在顧客を獲得するためのホームページの活用方法、潜在顧客を受注に結び付けるための社内対応策を述べよ。

A評価
→「ホームページ活用」「社内対応策」に、バランスよく字数を配分。

D評価
→「ホームページ活用」の記述で終わり、「社内対応策」の記述が抜ける。

第4問

Q:高付加価値なCNC木工加工機事業を実現する、製品やサービスについての方策を述べよ。

A評価
→与件にないが、CAE(試作品不要理論)の「1次」出題済知識を使って書く。

D評価
→省略。

※当サイト注
「与件に直接書かれていない1次出題済知識を使え」は、TBCの「具体→抽象→具体(2段階型)」に通じるものがあります。当サイトはここまで最新スタイルを熟知しておらず、この点の議論は他の先端スタイルの方に委ねます。

H29「事例Ⅱ」の傾向変化

「活用できる資源」の数が3倍に。

「出題の趣旨」によると、第1~4問のうち「助言問題」が3問を占めた。これに対し与件文には9つの「活用できる資源」が用意され、9つの資源を3つの問題をパズルの様に割り当てると、高得点になった。

つまり、「根拠を拾えばOK」な足し算積み上げのテストから、「ターゲット×活用資源」の掛け算の答えをピタリ当てないと点をくれない。従来型の採点に比べ明らかに進化しており、「最新の採点基準ではここまで求められる」覚悟はしておく方が良い。

A→A評価
選んだターゲットに対し、「活用できる資源」の組み合わせを正しく選んで解答。

C→A評価
使う根拠の数は足りないが、「資源を使って何らかの効果が出る」回答には、加点があった模様。

A→C評価
与件の根拠をひたすら拾う「従来型のA答案」を狙った場合、要素が増えてしまうことで「活用に関する記述が減る」。そこが減点対象になったことが考えられる。

「事例Ⅳ」対策

タイムマネジメントを重視し、失点リスクを回避する。

最新の得点戦略として、①経営分析で確実得点 ②計算問題で点差がつく事実はあるが、③知識問題で案外大きな点差をつけている。

CVPやNPVが得意な方が点を取りに行くことは悪くないが、そうでない方は計算問題ばかりに目を奪われず、「③知識問題のマス目を最初に埋めて」殴り書きを避けた、A答案が参考になる。

今日のまとめ

「2次」スクールの指導にしては、ずいぶん高度で尖った内容ですね。

セミナーが終わり質問の順番が来た時。こんな感想を述べ↑、続けてこう質問しました↓。

でもスクールとして教えやすい「解答のメソッドや型」でなく、「採点者に刺さる答案を書く」とは、受験指導でできるものですか?そもそもそれなら一々教わらなくても、受かる人は放っておいても合格します。

それに対する回答が、これまた奮っていて。

そうだよ、「2次」は合格する奴は放っておいても自力で受かる。でもその方向性が正しいか、変なクセがついていないかを矯正するのは、スクールの役目だな。

ふふん、ちょっと際どい質問にも即答。長年の受験指導による自信の裏付けは、「診断士スクール」というより「診断士そのもの」の活躍スタイルとして、お手本にできそうです。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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