旧態依然なスクールのCVPの教え方といえば、いまだに公式の暗記一辺倒? いえ、公式の暗記一辺倒でCVPが解けた時代があったんです。
① 予想PLの作成力
② 売上単価が変化すると公式利用不可。←今日はここ
③ 予想BSの作成力 (資金繰り) ←ここは少なく、今後の出題。
上述の「CVPの公式」で解くのは、限界利益率=一定が前提。すると、「CVPを公式で解こうとする方」を8割落とすには、売上単価を変動させれば良くね? と出題側が気づくのは自然です(H29第2問 設問3)。
そこでスッキリ1級著者の滝澤ななみ氏は、「売上高=Sと置く方程式が最も安全」。ブログでそう書いています。
では旧態依然なスクールに教わっても埒が明かない。CVPなら簿記1級より診断士試験の方が難しいので、ここは基礎固めにスッキリ1級を実際に解いていきます。
【2年目上級アドバンス(CVP)】公式では解けないCVP
S★★★ 第2章 CVP分析
診断士「事例Ⅳ」では、固定費⇔変動費の分解は文章で与えられますが、簿記1級では実際に計算させる出題があります。当試験では高低点法以外は出ないし、高低点法ならいつもの方程式で解けるので、読み物程度に。
※問④⑤の最小二乗法は解答不要です。
簿記1級と診断士「Ⅳ」のCVP分析を比べると、簿記1級は計算を煩雑に、診断士「Ⅳ」は過去問の暗記では解けない初見パターンを問う傾向があります。
公式でなく方程式で解かせる出題は、パターン化しにくく、点差をつけやすい。そのためこの出題傾向は当面続きそう。
当サイトのエクセルもそうですが、「Ⅳ」のCVP過去問の多くは「SBEP=固定費÷限界利益率」の公式で一発で答えが出ます。
そこで時間はかかるが、当テキストの様に売上高=Sと置く方程式での解き方を練習しておくと安心。具体的には、目標営業利益「高」なら公式で解けますが、目標営業利益「率」になると方程式でしか解けません。
目標利益が「営業利益」でなく「経常利益」で指示された時の手順を眺めておく。「こんなのもアリ」と、いざ出題された時の安心感が違います。
販売価格、販売量、変動費、固定費をいろいろ変化させ、いくら儲かるかをシミュレーション。感度分析はCVPの必須論点ですが、診断士「Ⅳ」では、予想PLとして出題するパターンが多い様です。
組製品の考え方。知っておいても良いけど、あまり気にしなくて良い知識。
A★★ 第3章 最適セールス・ミックスの決定
最適セールス・ミックスは過去に出題例があり、「制約条件あたり限界利益額」の高い順に生産・販売します。
ただH26第3問は出題に凝り過ぎて誰も当たらない問題になってしまったので、ヘンな深追いは不要。
最適セールス・ミックスの制約条件が2つになると、簿記1級では「線形計画法(LP)」で解きます。1次「運営」で出題実績があり、「Ⅳ」でも出題可能ですが、一度も出ていません。
恐らく今年も出ないので、テキスト一読程度でOK。
今日のまとめ
すると診断士スクールのCVPの教え方は、以下の3つに分かれそう。
②公式や暗記依存を避け、方程式で正しく解かせる。
③初見問題は方程式、既存問題は公式で使い分け。
①は論外ですが、②にも問題が。つまり方程式で解くのは、時間がかかり、ミスが出やすい。従いここは旧態依然なスクールや参考書、はたまたWebの勝手な議論より、しっかりした受験校の見解を待ちたい所です。
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