スト合格者なら、朝飯前に80~92点。H28、29「経済」はなぜそんなに易化?
A:1つは、「法務」「中小」など暗記系を難化させた反動。もう1つは過去問で見覚えのある問題ばかり出したこと。 |
診断士「1次」、つまりマーク型知識対策の王道は過去問回転。試験形式を通じ知識を教える目的だから、過去問で出る所から覚えるのが手っ取り早い。
でも、過去問の解き方を覚えりゃ92点。そんな出題が2年続くのは怪しい。
そこにピンとくるのが、最速合格センス。では詳しく見ていきましょう。
【科目学習セオリー】「経済」の難化・易化対策
一発合格まとめシートの「科目別学習セオリー」。
ドリル凡例
問題点 ・・赤 当サイトの、「要するに」の一言メモ例 |
テキストP.7 経済学・経済政策の学習方法
<完全引用開始>
経済学は、理論型、暗記型様々な科目がある中小企業診断士試験の中で、最も理解を重要とする理論型の科目で、単に暗記だけではなかなか高得点が狙いにくい科目でもあります。しかし、逆に一度理解すれば、安定的に得点が狙える科目でもあります。
また、近年は比較的難易度が低い年が続いていますが、平成22年、平成25年度のように得点調整が入るほど大幅に難化する年もあり、比較的難易度のバラつきが大きい科目でもあります。そのため、目標を設定する際も難易度のバラつきの可能性を踏まえた目標設定をすることをお勧めします。
具体的には、経済学を得意科目化できそうな方であれば、経済学は一度理解すると安定して70~80点程度狙える科目ですのでそれを狙い、貯金科目に回し、大幅に難化した場合でも60点の科目合格は狙えるようにする。
どうしても経済学が苦手な方であれば、通常の難易度の年で60点は取れるようにし、大幅に難化した場合でもその中で得点できる問題を確実に見極め、最低限40点は確保できるようにするといったように、通常の場合、難化した場合の2段階で目標設定をしておくと良いと思います。
そうすることで、難化した年の難易度に引きずられ、対策に時間を取られ過ぎることを防ぐと同時に、試験本番に7科目の最初の科目で緊張する中、悪いパターンを事前に想定しておくことで、パニックになってしまうのを防ぐことができます。
H25は超難化、H26~H29は安定易化。もしH25並みに難化したら、取れる10マーク40点を最初に探す。そんなコンティンジェンシープランを欠かさずに。
経済学では、数式やグラフが多数出てきます。ただし、中小企業診断士試験の経済学の範囲では、それほど難解な数学の理論が必要となるわけではないため、元々理系の方など数学に苦手意識のない方は比較的スムーズに学習を進めることができると思います。
しかし、経済学が苦手でいくら勉強してもなかなか点数に結び付かないという方のお話を伺っていると、実は経済学の前の段階の基本的な数学の部分の理解が曖昧なため、経済学の問題も上手く解けない、といった例が見られました。
そこで、以下ではシート0として、どんなに数学が苦手でも、診断士試験の経済学の問題に対応する上で最低限押さえておいてほしい基本的な数学について説明したいと思います。
数学というとどうしても自分には無理、と思う方もいらっしゃると思いますが、数学だと思わず、経済学の問題を解くために必要なお作法だと思い必要最低限の内容を押さえていただければと思います。
「財務」と「経済」に共通する苦手とは、四則演算、分数、小数と方程式。この苦手を克服すると、2科目とも得意に。
シート0→テキストP.8参照
文字式とは、例えばa+b=cといったように、式を具体的な数字でなく、a、b、x、yといった文字で表したものです。文字式は、文字の部分に後でどんな数字が入ってきても使い回せるようにするために使われます。
また文字式の文字にはアルファベットの他にπやη、εなどのギリシャ文字が使われる場合もありますが、あくまでも「そこに○○を表す数字が入ります」ということを示しているだけで、aやbの場合と扱いは同じです。
分数の分子、分母もそれぞれ文字で表す場合があります。分数の文字式も文字の中に何らかの数字が入るということは同じで、プラスのときは分子が増えると値が大きくなり、分母が増えると値が小さくなります。逆にマイナスのときはプラスと逆になります。
なかなかイメージしにくい場合は例えばa/bでa=2、b=3で2/3だったのが、bが増え、b=4になるとどうなるか、というように自分で実際の数字を当てはめてみながら数字の大小の変化を確認してみましょう。
分数とは小学3年生の算数。苦手にしないよう、念のためチェックを。
関数とは、ある値を別の値に変換するためのルールを示したもので、1次関数とはxが変化するのに伴ってY=aX+bのようにYが変化するルールのことです。このときいろんな値に変化しうるX、Yを変数、変化しないa,bを定数といいます。
このa、b、x、yが例えばi=(k/h)Y-(M/hP)というように別の文字や複数の文字で表されたりしても、考え方は同じです。LM曲線の式i=(k/h)Y-(M/hP)であれば、Y=aX+bの式のYがi、XがY、aがk/h、bが-M/hPになった、というように見せ方が変わっただけです。
最初はまずY=aX+bという一番単純な一次関数の形を覚えて、a、b、x、yがどんな文字に変わったのか、ということを経済学で使われる公式と比較しながら一つ一つチェックして徐々に慣れていくようにしましょう。
そして、経済学の問題を解く上で非常に重要となってくるのが、一次関数の式とグラフの関係です。一次関数Y=aX+bの式では、aを傾き、bを切片と呼びます。
グラフとはXがある値のときYはどういう値になるのかということを図に示したもので、一次関数のグラフは直線で表すことができ、傾きがプラスであれば右上がりの、傾きがマイナスであれば右下がりの直線となります。また傾きが0のときは水平の、傾きが無限大(∞)のときは垂直の直線となります。(中略)
以上を整理しますと、「Y=aX+bの式で、aが変化するとグラフの傾きが変化し、bが変化するとグラフが右または左にシフトする」と言えます。
IS-LMといえば、傾きが変わるか左右にシフト。一般にはグラフ+暗記で解けますが、説明するには方程式の理詰めで。
ここまで、直線で表すことのできる1次関数について取り上げてきましたが、ミクロ経済の分野では曲線で表される関数も出てきます。そのとき理解しておきたいのがグラフの接線とその傾きについてです。
接線とは、右図(省略)のようにあるグラフのある点に接する直線のことをいいます。元々直線の一次関数では、グラフと接線は一致します。また、あるグラフのある点の接線と傾きとは、その接点で、Xが1単位増加するときYがどれだけ増加するかを示しています。そして、接点の傾きはグラフの曲線を微分することで求めることができます。
経済学で限界○○という用語が出てきた場合、ある点において、Xが1単位増加するときYがどれだけ増加するかということを示したものであり、つまり、グラフの接線の傾きの大きさのことを意味しています。
診断士ミクロで限界○○といえば、費用(3次関数)と効用(2次関数)です。どちらも出題パターンは決まっているので、慌てない。
さて、グラフの傾きを求めるためには微分が必要だと説明しましたが、診断士試験で必要な微分はaXnの微分のみです。aXnの微分は右記(省略)のようにanXn-1と表すことができます。つまり、aX3の微分はn=3をanXn-1にあてはめて、a×3X3-1=a×3X2となります。
数学は苦手という方は、診断士試験で使われる微分は3次関数の微分までですので、細かいことは深く考えず、右の枠(省略)で囲われた部分を覚えてしまい「微分をする」となったら、式の中のそれぞれの文字を覚えた通り置き換えてしまえばOKです。あくまでも問題を解くためのお作法と割り切ってしまいましょう。
微分の計算は出ても1マーク。でももし難化年でこの1マークを外すと40点が厳しい。苦手=捨てる判断をするには慎重に。
<完全引用終わり>
「ブログ」として読むには、異様な長文。
でも、4年連続易化が続き、H30は難⇔易どちらに転ぶかわからない。そんな挑戦状に立ち向かうには、この程度の理論武装はしておく方が無難です。
今日説明された数字は、「財務」の四則演算や分数をちょっぴり上回る一次/二次関数や微分。でもそれ、だいたいグラフとセットで出てきます。
グラフの難化に備え、一次関数を使った理解もしておく。
マストではありませんが、するとまさかの時でも安心です。