【論点タテ解き「経営法務」】#5産業財産権~次の出題を予想する

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毎年同じ論点が出るのに、
毎年同じ問題は出ない。

「過去問回して答えを覚えりゃ、合格点」。そんな学習スタイルで高得点につい慣れると、ハタと悩むのが特に今日の「産業財産権」。

出題論点×出題形式の掛け算。過去と同じ問題は出てこない。

TAC過去問タテ解き表(2018)

でも大丈夫。H29第6問こそやや捻っていますが、教え方が確立し、原則正答率A~Cランクになるのが「産業財産権」。最新スピテキ2018年版の章立てに沿い、早速過去問を眺めます。

#5産業財産権~次の出題を予想する

1⃣特許法

H27年第15問 Aランク 基本問題

外国企業への生産委託に関する以下の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

国内の中小製造業者がアジア諸国等の現地企業に生産委託を行う場合、現地法人や現地工場を確保する場合と比較して、生産コスト面や労務管理面での負担軽減、海外販路の確保、ハイテク製品とローテク製品の生産のすみ分け等といった利点が挙げられる。その一方、技術流出や秘密漏洩のリスクがあるほか、品質管理やブランド管理に困難を伴うといった問題点もある。受託者(現地企業)に開示する技術情報についての秘密保持義務を生産委託契約で規定することは、受託者への義務付けを通して技術流出の未然防止が期待できるが、いったん技術情報が流出してしまえば、第三者による技術利用を拘束する効力はない。このような第三者による重要な生産技術の利用を防ぐ上で、受託者の本拠地国での□ A □は一定の効果があるが、他方で権利を取得する前に生産方法の公開により技術的なノウハウが広く全世界に流出してしまうリスクを生じさせるので、慎重に検討する必要がある。
生産委託の形態として採用される手法のひとつが、委託者(国内企業)が製品の設計から制作・組立図面に至るまで受託者へ支給し(場合によっては技術指導も行う。)、委託者のブランドで製品を生産するOEMである。委託者にとっては、製品市場の導入期や成長期におけるブランドの知名度向上、生産能力不足のカバーといったメリットが大きい。この生産委託の形態をさらに進化させたのが、製品の設計段階から製品開発、場合によってはマーケティングに至るまで受託者が一貫して提供する□ B □であり、受託者の技術レベルが委託者と同水準以上にあることが基本的な特徴である。

×ア A:意匠権の取得    B:FMS
×イ A:オープンソース化  B:EMS
×ウ A:商標権の取得    B:ODF
○エ A:特許権の取得    B:ODM

長い問題文は読み飛ばし、空欄Aの後に続く「権利を取得する前に生産方法の公開により~」で、エ特許法の一択。Aランク。

H24年第13問(1) Bランク (2)Aランク 基本問題

 特許権を取得した会社の専務取締役甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間の、特許権のライセンスに関する以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「知財担当の主任から聞きましたが、平成24年4月から特許法の改正法が施行されて、特許権のライセンスについて登録制度が変更されたそうですね。」あなた:「はい。特許権の□ A □の設定を受けたライセンシーが、特許権を譲り受けた第三者に自らの権利を対抗するため、これまでは特許庁にその権利の登録をする必要がありました。今後、ライセンシーは登録なしで□ A □を特許権の譲受人に対して当然に対抗できることになります。」
甲 氏:「当社はライセンシー側でもありますが、登録制度を利用していませんでした。」
あなた:「また、破産手続のことを考えると、破産管財人は破産手続開始時点で□ B □である破産者・第三者間の双務契約を解除できるのが原則ですが、ライセンス契約においては、たとえ□ C □が破産しても□ A □について対抗要件が備わっていれば、破産管財人は□ A □の設定契約を解除できません。今回の特許法改正により、特許権者から□ A □の設定を受けたライセンシーはその後特許権者が破産しても、破産管財人に当然に対抗できます。ライセンスを受けた技術を安心して利用し続けられますし、特許権のライセンスビジネスでの活用の幅も広がります。」
甲 氏:「だけど、せっかく第三者が特許権を買い取っても、特許庁の登録を見ても分からないライセンシーへのライセンスを打ち切れないわけですよね。それって特許権を活用したファイナンスとかM&Aの妨げになりませんか。」
あなた:「企業買収の際には、買収企業側が被買収企業側にデュー・ディリジェンスを実施し、被買収企業側からの『開示したライセンシーがすべてであり、開示されないライセンシーは存在しない』という□ D □条項をおけば、買収側としては一応のリスク回避が可能です。ただ、おっしゃるとおり、隠れたライセンシーの存在やライセンス日付のバックデートの可能性が、特許権を活用した資金調達のマイナス要因になりかねないという指摘はあります。」
甲 氏:「それに、特許権の譲渡後に譲渡人が新たならライセンシーとライセンス契約を結んでしまったりした場合、ライセンシーは□ A □を特許権の譲受人に主張できますか。」
あなた:「特許法の条文上は、ライセンシーは□ E □後に特許権を取得した第三者にその権利の効力を主張できますから、□ F □が特許権を移転登録より先であれば、□ A □の方が優先します。」

ア A:専用実施権  B:双方未履行   C:ライセンシー
イ A:専用実施権  B:双方履行済み  C:ライセンサー
ウ A:通常使用権  B:一方履行済み  C:ライセンシー
エ A:通常実施権  B:双方未履行   C:ライセンサー

特許法の主要論点の1つ、専用実施権・通常実施権からの2マーク出題。ヒントが多様なので、どこから説いても(1)エ (2)エの正解は選べる。当問を解いたら、テキストに戻り確実暗記。なお「経営」「運営」フランチャイズでも問われるが、ライセン「サー」、ライセン「シー」の違いはこう覚えて、と受け売り。

ライセンサー
フランチャイザー
ER 発音「アー」
ライセンシー
フランチャイジー
EE 発音「イー」

「ア」は「イ」より上だから、権利を持つ方が「アー」、受ける方が「イー」。

H25第7問 Cランク ひっかけ

特許を受ける権利に関する記述として最も適切なものはどれか。
△ア 産業上利用することができる発明をした場合であっても、その発明について特許出願がなされなければ、発明者に特許を受ける権利が発生しない。
×イ 特許を受ける権利がAとBの共有に係る場合、AとBは、それぞれ他の共有者の同意を得ずに、自己の持分について譲渡することができる
○ウ 特許を受ける権利は、譲渡により移転することができる。
×エ 特許を受ける権利は、抵当権の目的とすることができる

当問は、正解ウの知識がやや細かく、もっともらしいアを選びがち。出題者のしてやったり顔を思い浮かべ、くやしさをバネに知識を追加。

H28第7問 Cランク 改正論点

以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成27年7月10日法律第55号)のうち、主に職務発明に関するものである。文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進することを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらには、□ A □及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行うこととした。
なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は□ B □に帰属し、□ C □が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、□ B □は、特許を受ける権利を□ C □に承継させた場合、その対価を請求することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。
また、従来の職務発明制度では、異なる□ C □における共同発明者甲及び乙が存在する場合、□ C □が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継する場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企業のスピーディーな知的戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。そこで、特許を受ける権利を初めから□ C □に帰属させることにより、この問題を解決することとした。

×ア A:特許協力条約  B:使用者等  C:発明者
×イ A:特許協力条約  B:発明者   C:使用者等
×ウ A:特許法条約   B:使用者等  C:発明者
○エ A:特許法条約   B:発明者   C:使用者等

当問は法改正が直後に出題された例。知らなければ悩むだけ無駄で、正解エ。自力で対策するのは非効率。通学生なら1社、独学者なら2社ほど1次模試を受け、その出題予想の範囲内でやるのが吉。

2⃣実用新案法

H28第6問 Bランク 基本問題

実用新案登録技術評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 実用新案法には、2以上の請求項に係る実用新案登録出願については、実用新案技術評価の請求は、請求項ごとにすることができない旨が規定されている。
×イ 実用新案法には、実用新案技術評価の請求をした後においては、実用新案登録出願を取り下げることができない旨が規定されている。
×ウ 実用新案法には、実用新案権の消滅後においても、常に当該実用新案技術評価の請求をすることが可能である旨が規定されている。
○エ 実用新案法によれば、実用新案権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない。

実用新案法のひさびさの出題は、やはり問われる「実用新案技術評価書」。正解エの一択でア~ウの知識はおまけ。

3⃣意匠法

H28第8問 Cランク 最後の2択

中小企業診断士であるあなたは、意匠登録出願をしようとしている顧客の経営者
X氏から相談を受けている。あなたとX氏との会話の組み合わせのうち、あなた
の回答が最も適切なものはどれか。
×ア X 氏:弊社が開発した、ビデオディスクレコーダーの録画予約機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像は、意匠登録の対象となるでしょうか。
あなた:いいえ、意匠登録の対象とはなりません。ビデオディスクレコーダーの操作画像でテレビ受像器に表示されたものは、意匠登録の対象である「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に該当せず、意匠登録を受けられる場合はありません
○イ X 氏:弊社のアイスクリームのヒット商品「診断くん」のデザインを一新しました。ぜひとも意匠登録をして模倣品対策をしたいのですが、意匠登録は可能でしょうか。
あなた:はい、意匠登録は可能です。アイスクリームは、時間の経過によりその形態が変化してしまいます。しかし取引時には固定した形態を有しているので、意匠登録の対象となることはあります。
×ウ X 氏:弊社のバラの造花は、デザイン性が高いため、売れ行きが非常に好調です。そこで、類似品が販売されるのを防止するため意匠登録をしたいと考えています。このようなバラの造花は、意匠登録の対象となることはありますか。
あなた:いいえ、意匠登録の対象となることはありません。貴社のバラの造花は、自然物の形状、模様、色彩を模したものですから、意匠登録の対象となることはありません
△エ X 氏:弊社は、仏壇の製造販売を行っています。このたび、大変斬新な形態の仏壇のデザインができたため、意匠登録をしようと考えています。この仏壇のデザインは意匠権に加えて、著作権によっても保護されますか。
あなた:いいえ、著作権によっては保護されません。美術的作品であっても、仏壇のように量産されるものであるときは、著作権により保護されることはありません。貴社の仏壇は、著作権によってではなく、意匠権によってのみ保護されます。

当問は意匠法の細かい言い回しを長文で聞いてくるので、テクニカルな解き方も知っておく。選択肢ア~エの文末だけを並べると、

ア 意匠登録は受けられません。
イ 意匠登録となることはあります。
ウ 意匠登録は受けられません。
エ 著作権ではなく、意匠権によってのみ保護されます。

診断士たるもの、産業財産権の知識を駆使し、顧問先をがっかりさせたくない。テクニカルにはなるべくプラスになる解答、つまりイを選びたい。エの知識は細かすぎるので、イエの2択まで絞れればOK。

H26第7問   ランク 嫌がらせ

意匠制度に関する記述として最も適切なものはどれか。
○ア 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。
△イ 関連意匠の意匠登録を受けた意匠が本意匠に類似しないものであることを理由として、その関連意匠の意匠登録に対して意匠登録無効審判を請求することができる。
△ウ 組物を構成する物品に係る意匠としてなされた意匠登録出願に対して、組物全体として統一性がないことを理由として意匠登録無効審判を請求することができる。
△エ 「乗用自動車」の意匠が公然と知られている場合に、その乗用自動車と形状の類似する「自動車おもちゃ」について意匠登録出願したときは、その出願は新規性がないとして拒絶される。

当問は、秘密意匠制度=3年の知識があればア一択になるが、イウエに×をつけるには相当骨が折れる嫌がらせ問題。従い、ポケテキの赤字箇所はまず最初に確実暗記。

4⃣商標法

H27第11問(1)~(2)Aランク

中小企業診断士のあなたと顧客の経営者X氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、実在するキャラクターや特産品を考慮する必要はない。

X 氏:「当社の本社はC県のAB市にあり、私は地元の経済団体の役職にも就いているのですが、最近、AB市で盛り上がっているのが、AB市内の漁港で水揚げされた海老のすり身を煎餅せんべいの生地に練り込んで焼いた特産品の『ABせんべい』をもっと全国的に売り出そうという企画なんです。確か、地域の特産品の名称を保護するような商標がありましたよね。」
あなた:「地域団体商標のことですか。正確なことは専門家に聞いた方がいいと思いますが、地域団体商標が認められるには、結構要件が厳しかったはずですよ。権利の主体は、事業協同組合等のほか、平成26年に施行された法改正で新たにNPO法人や□ ① □等にも広げられました。しかし、『ABせんべい』という名称を使用しているだけでは難しくて、例えば『ああ、あのAB市特産の、海老を原材料にした煎餅だな』と消費者や事業者が広く認識する程度の周知性が必要です。」
X 氏:「地域的にどの程度まで周知ならいいのですか。」
あなた:「一般的には、□ ② □に及ぶ程度の周知性が必要とされています。」
X 氏:「なるほど、そう簡単なわけでもなさそうですね。実は、AB市の公募で採用された『ABせん兵衛べえくん』という、いわゆるゆるキャラが『ABせんべい』の知名度向上に一役買っているのですが、最近、地元のイベントで『ABせん兵衛べえくん』の偽物が現れましてね。よく似た着ぐるみを着て、『海老みそブシューッ!』と叫びながらエビ反りになってのたうち回るなんてギャグをやったりして、子供にはうけますが、下品だと言って嫌う人もいます。こういったゆるキャラの権利を知的財産で守るような法律手段はないのでしょうか。」
あなた:「キャラクターのデザインや絵柄の創作を保護するなら、やはり□ ③ □で守るというのが最も素直でしょう。広告宣伝用であれば、平面だけでなく立体的な構成も□ ④ □、あるいは□ ⑤ □で保護が可能ですが、広告宣伝の対象となる商品やサービスを特定する必要がありますし、□ ④ □は登録の手続が、□ ⑤ □は権利行使のために周知性の立証が必要です。また、ぬいぐるみの量産品であれば□ ⑥ □で保護される可能性も出てきますが、一方でそのような物品が□ ③ □による
保護の対象になるか、という問題も出てきます。結局、場面に応じた個別的な法的保護の組み合わせでキャラクターの利益を守るしかないのが現状です。」

(設問1)
会話の中の空欄①と②に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれ
か。
×ア ①:一般社団法人     ②:全国
○イ ①:商工会議所      ②:近隣都道府県
×ウ ①:中小企業団体中央会  ②:近隣市町村
×エ ①:公益社団法人     ②:全国8地方区分の同一区分
(設問2)
会話の中の空欄③~⑥に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア ③:商品化権  ④:不正競争防止法  ⑤:商標権  ⑥:意匠権
イ ③:著作権   ④:商標権      ⑤:景品表示法 ⑥:パブリシティ権
○ウ ③:著作権   ④:商標権      ⑤:不正競争防止法 ⑥:意匠権
エ ③:意匠権   ④:不正競争防止法  ⑤:商標権 ⑥:著作権

海老みそプシューッ!で知られる、歴史に残る名作・迷作問題。設問2は、商標権・意匠権・著作法・不正競争防止法をクロスオーバーで覚えられるので、笑わずにしっかり復習。

今日のまとめ

産業財産権は、原則正解させるサービス論点

Q:うん、確かにABランクが多いけど、Cランクも一杯あるよ?
A:教育目的が強い重要論点では、ABランクを増やし学習意欲を高めます。その時、なぜCランクで点差がつくか。そこに注目し、スコアを上げるのが出題予想力です。

「法務」では、昨年と同じ問題は出ない。つまり当試験特有の「過去問をひたすら回し、答えを覚える」作戦が通用しません。

産業財産権で言えば、まとめ表を眺め、今年出そうな所を予想し当てる。そんな出題予想力を高めることも、「法務」を得意化しておくメリットです。

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