おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

合格体験記

【最新診断士座談会】イマの試験はここが変わった 第2部

座談会記事はなぜ人気?

オマエの蘊蓄には飽き飽きだから?いえそう言わずに。
  • 「2次」の本質は変わらないが、毎年ドッキリびっくり箱。
  • 出題側が変化を仕掛けると、合格スタイルも年々多様化。
  • 特定のやり方、スタイル依存より、多様性を組み合わせるほど。
  • ポートフォリオ効果で低リスク。現場対応力を高めてスト合格。

さて座談会とはフリートークでなく、予め筋書きがあるんです。

ところが同じ筋書きで進めるはずの座談会第2部。昨日の第1部とは異なる方向に話が進みます。ではスト合格×2名、3年目×1名の第2部をどうぞ。

【座談会第2部】週30hタイプ×週10hタイプが意見を交わすと?

日 時:2018年2月14日(水) 第2部21:30~
場 所:Web会議
第2部:
Tさん 1年目速習スト合格 TAC横浜渋谷八重洲通学
Mさん1次3回2次3回 TAC通信+スクーリング
Nさん 1年目スト合格 TAC八重洲通学
司会:ふうじん

1⃣「2次」に合格したポイント

試験情報の多寡よりも、「自分の言葉に変える」国語力。

司会F:では早速、「2次」に合格したポイントをお願いします。

N:「2次」に早く取り掛かったことです。受験校講師の勧めにより12月から始めたのですが、結果的に1年先行して学習する受験経験者の方に近い学習量をこなすことになり、「2次」抜け駆け合格の様なスタイルになりました。

M:私は通信生で「1次」「2次」とも3回受験ですが、2年目までと3年目で学習法を大きく変えました。時間の制約上、週10h学習が限度でしたので、「与えられた学習をこなす」のではまずい。通信スクーリングや市中のセミナーに参加したことで、そう気づいたことがポイントです。よく言われる「聞かれたことに答える」。ではどうやってそう答えるかに、自分なりのスタイルを見つけました。

T:私は速習ストレート生でしたので、「道に迷う機会がなかった」ことがポイントです。逆に学習期間の余裕があると、つい難しく考え、こじらせてしまう。そんな話を聞いたことがあります。また「2次」対策は8月スタートでしたが、会社内に最近合格した先輩がおり、「合格に至る道」を示してもらえた。これもポイントでした。

F:最近では、「合格者」より受験者の方が試験情報に詳しいケースもみかけます。

T:この試験は合格情報が溢れていて、それに振り回されると合格が遠ざかる。また方法論に固執して失敗する場面も少なくない。そんな話も伺いました。

F:なるほど、試験情報が溢れるために、取捨選択する咀嚼力が必要。そこを踏み違えると「こじらせ」。ここもなかなか難しそうです。

2⃣今年また「2次」を受けるなら。変える点、変えない点

スト合格の傾向=合格手順を自己調達。

 

変える 変えない
Nさん 「事例Ⅳ」の採点基準
※詳細別途
基本的に変えません。
Mさん 学習の優先度、メリハリを強化 事例企業を自企業として捉える
客観性+「社長の思い」の重視
Tさん 2次」に使える「1次」知識 最小限の合格ルート
道に迷わないこと

T:速習ストレート生は結果的に最速の合格ルートを取りますが、「事例Ⅱ」で顧客生涯価値(LTV)と聞かれ、知識がスッと出てきませんでした。次に「2次」を受けるなら、そこで問われる「1次」知識をもっと整備しておくと思います。

N:もともと受験や資格勉強は得意な方で、周囲から「やり過ぎ」と言われる位、夢中で勉強を続けました。「540点取る学習ペース」としては、以下のことをやっています。

・GW以降は、過去問タテ解きを中心に。
・「2次」対策を知っていたので、「1次」知識は、選択肢を選ぶだけでなく、自分の言葉で説明できる状態に仕上げる。
・「事例Ⅳ」対策で「財務」を兼ねる。

F:「自分の言葉で説明できる」方法として、サブノート作成があります。でも7科目もある診断士試験では、一般的でないとされますね。

N:はい、まとめシートやサブノート作りは時間がかかり、合格するためには不要な方法です。でも別な資格学習の時もそうだったのですが、「まとめシート」を作ると、後で忘れた時に取り出すとすぐ思い出す。そして忘れる⇔覚え直すを繰り返すと、忘れない様になる。そんな自分の成功経験則を持ち込んだということです。

F:ありがとうございます。勉強することが面白く、つい寝食を忘れるほど学習にのめりこむ。「2次」対策では割と見かける光景ですが、「1次」でそうなる方は、そう多くないですね。では「学習時間に制限があった」Mさんはいかがでしたか?

M:仕事が多忙であるため、週10h確保が目一杯でした。また体調面の理由で、一定時間以上の学習を続けることがラクではなかったのです。そこで、週20hと言われる目安にこだわらないスタイルを、自分なりに考えました。

F:暗記に時間がかかる「1次」では、週20hやらないと合格しにくい事実はあります。でも週10h×3年かけて「2次」を突破するのは、新しいスタイルと言えそうです。

3⃣「1次」「2次」平行学習のタイミング

「1次」は暗記で時間がかかる。「2次」は国語力UPに時間がかかる

F:同じスト合格者といえど、「1次」「2次」ダブルストレートのNさんと、速習のTさんでは、「2次」の取り組み方にだいぶ違いがありますね。

N:初学者が、「2次」平行学習をする場合、「優先度の意識付け」は不可欠です。例えば「100字訓練」という方法があり、1日1回、テーマは何でも良いので何かを100字にまとめてみます。これを「2次」で使う「1次」知識でやれば、「1次」知識と「2次」文章力が向上し、一石二鳥です。

T:文章を書くスピードの速さの違い、例えば会社の議事録づくりでも早い人⇔遅い人ではずいぶん違います。日本語の主語・述語・修飾語の並びを工夫するとか。PCでやっても差が出るので、手書きとなるとずいぶん差がつく。ここを早めに底上げするのは良さそうです。

F:はい、「1次」に学習に専念した結果、「2次」を始めて自分の文章力の弱さに気づいてびっくり。そんな話は良く聞きます。Mさんはいかがですか。

M:私は得意な方です。職場で製造企画職を務めており、レポートや改善提案など、文章を通じ周囲を動かす力を鍛えた方だと思います。

T:「1次」「2次」平行学習について、速習ストレート生の立場では疑問に感じる点があります。受験校講師が、「余裕がある方はどうぞ」と「2次」早期学習を紹介することがありますが、「1次」知識が不十分な状態で本当に効果があるのか。「1次」で十分な知識を得る。そこを外すことは危険に感じます。

N:「1次」「2次」のスタートラインを一律に決めようとするのでなく、人により異なる。つまり学習開始前に持っている知識量によって変わる。自分で必要⇔不要を判断できる。そちらの方が重要と考えます。

F:Tさんの指摘は鋭いですね。実はこの議論、古くからの繰り返しなんです。そこで例えば「養成答練80点」が早期着手の目安。そんなガイドラインが見えてきそうです。

T:ところで、初学ストレートで受かってしまうと、受験経験者の苦労感が掴めない。すると初学者向けに良かれと思った助言が上滑りになるケースがありそうです。どのような苦労があるのでしょうか。

N:メンタルコントロールの話を聞いたことがあります。1年間の努力を年1回の試験にぶつけるので、当日緊張して、普段通りの力を出せないなど。

F:自分の実力以上を出そうとすると緊張する。だから合格を遥かに超える実力を狙う強心臓の方もいるのですが、ここもなかなか難しい点です。

4⃣最後に~来年の自分からイマの自分にアドバイス

まずは試験の振り返り。それも診断士の活動領域。

F:それでは最後に、来年の自分からイマの自分へのアドバイスをお願いします。

N:今年机を並べた仲間と、来年は診断士同士として一緒に活動したい。その意味で、診断士合格には何をするのが良いか、また何が足りないか。まず周囲の力になる経験を積もうと思っています。

M:診断士登録を早く済ませます。そして目の前のトラブルを手持ちの駒でどう解決するか。それには、自問自答の積み重ねが欠かせないはずです。

T:1年目だからこそ、欲張れ。特に隙間時間を使える執筆活動なら、成果を早く出せそうです。

F:ありがとうございます。イマの自分が去年の自分にアドバイスするのが「合格者」とすれば、ミライからイマの自分にアドバイスし、成長を続けるのが「現役診断士」。そんな違いに注目ですね。

座談会第2部まとめ

イマの試験はどこが変わった?

いえいえ、あんまり変わってないのです。そこで、同じ筋書のハズの座談会第1部⇔2部を読み比べると。

経験者合格:
「2次」の酸いも甘いもかみ分け、実力通りに順当合格。
たまスト:
試験に受け身でなく、自分の強みを持ち込んで戦う。

この試験の勝ち方は一つじゃないな。皆がそう知ると、自分のやり方の宣伝よりも、周囲の良い所を積極吸収。ふぅん、では何を吸収するの?

そう、そこが今年一番変わった所です。この続きは明日。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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