A経済学

【経済】「石川の経済」斜め読み(マクロ)

「経済」を越えると、スト合格への展望が開ける。

「経済」の難しさ+そのメリットは。
  1. 解法でも解けるが、少し捻られると太刀打ちできない。
  2. 「理解が大事」と言われても、どこまで理解すれば良いか不明。
  3. 1つの論点の結論が次の論点の前提。一つ迷うと連鎖的に迷う。
  4. 一度理解したつもりでも、後で解き直すと見事に忘れている。

3.について朗報。論点間の知識が関連付けて問われるのは、ミクロの需要/費用曲線~独占・寡占と、マクロの財市場⇔資本市場⇔IS-LM分析まで。その後は個別知識が問われるので、

AD-AS分析以降、情報・法務・中小まで、理解で悩む心配はない。

そこを知ると「経済」の残りを一気に押さえ、「法務」以降の暗記3兄弟はごく楽勝とさえ感じる。それが「経済」に注力するメリットです。

本日の斜め読み範囲~マクロ

IS-LM分析までは理解で押さえる。それ以外は答えを覚える。

診断士「経済」の手強さはもう一つ、基本講義を終えたら次の再会は5月の完成答練。生半可な理解など忘れているから、論点によっては過去問の答えだけ覚えておく方が思い出しやすい。

Part2 国民経済計算§4 GDPと物価
§5 三面等価の原則
§6 △産業連関分析
Part3 財市場§7 財の需要
§8 45度線分析
§9 インフレ・ギャップとデフレ・ギャップ
§10 投資乗数・政府支出乗数・租税乗数
Part4 資産市場§11 貨幣と債券
§12 貨幣供給
§13 利子率の決定
§14 ▲投資の限界効率理論
§15 金融政策の効果
§16 ▲古典派の利子率・貨幣感
Part 5 IS-LM分析§17 IS-LM分析
§18 金融政策の効果
§19 財政政策の効果
§20 ▲公債の経済効果
Part 6 AD-AS分析・IAD-IAS分析§21 労働市場
§22 AD-AS分析
§23 ▲古典派体系とケインズ派体系
§24 △インフレの種類と効果
§25 △フィリップス曲線
§26 ▲IAD-IAS分析
Part 7 IS-LM-BP分析§27 国際収支と外国為替レート
§28 IS-LM-BP分析
§29 消費
§30 △投資
§31 景気循環
§32 経済成長

マクロIS-LM分析は、頻出・高得点

IS-LM分析は、受験校解法(右シフト要因)で解く。

「経済」の主要論点では、解法で解ける限り、理解は後回しでOK。以下に、IS-LM分析を解く受験校の解法を示します。

財市場・貨幣市場の理解度は別として、IS-LMはこう覚えると解けます。

政府支出G↑・租税T↓でISが右シフト、
貨幣L↑・物価P↓でLMが右シフト(正しくは下シフト)

解法を覚えたら改めて過去問を解きます。そして問題リード文に長々と書かれた説明が、

△受験者への嫌がらせでなく、
○IS-LMはこの手順で考えて、と出題者からのアドバイス。

そう気づいた瞬間が、「経済」得意化への第一歩でしょう。

ナナメ読みのコツ~「要するに」作戦

優先度を意識した斜め読み
★★★ 重要頻出論点。理解が問われるので、解ける様になるまで理解。
★★☆ 頻出論点。理解は不要で、主に解法で解く。
★☆☆ 必要概念。直接問われないが、頻出論点を解くのに使う知識。
☆☆☆ 出題対象外or稀出論点。▲=全く不要、△=たまに出題で示す。
出題可能性:A=高い、B=普通、C=低い
Part2 国民経済計算

★★☆B §4 GDPと物価
→GDPの概念を学び、その他指標と物価指数をおまけで押さえる

★☆☆C §5 三面等価の原則
→GDPの考え方。生産面(産業別)が基本。同じものを分配面(受取人)・支出面(出し手)で分類するだけなので、3者は必ずイコール。

☆☆☆B §6 ▲産業連関分析
→産業間の取引関係を示す表。ある最終財の需要増加時の波及経済効果を計算できる。深い出題はない。

Part3 財市場

★★☆B §7 財の需要
→有効需要の原理により、GDPの議論は「財の需要」が最重要。YD=C+I+G+EX-IMの需要式を使い、需要Cの考え方を学ぶ。I, G, EX, IMは一定と割り切る。

★★★A §8 45度線分析
→サミュエルソンによる、有効需要の原理の図解。傾きや切片で変化するYDに対し、YS=Y=常に45度で、GDPはYD・YSの交点。だからGDPを増やすには常に45度のYSでなく、YDを操作せよ(=傾きや切片を上げる)と説くのが、有効需要の原理。

★★☆C §9 インフレ・ギャップとデフレ・ギャップ
→経済政策の目標は、完全雇用実現と物価安定。供給超過による失業発生時はデフレ・ギャップの分だけ需要YDを増やし、需要超過による物価高騰時はインフレ・ギャップの分だけ需要YDを押さえるのが、総需要管理政策。

★★☆A §10 投資乗数・政府支出乗数・租税乗数
→金融/財政政策がGDPをどう増やすかの理屈が乗数効果。投資乗数がわかれば残り2つもOK。理屈としては、1つ投資をするとその需要増が従業員の所得を増やし波及的に新たな需要。試験上はY=C+I=(a+bY)+Iから式変形し、投資乗数1/(1-b)を導けばOK。

Part4 資産市場

★☆☆C §11 貨幣と債券
→まず、貨幣と債券だけを考える。貨幣とは取引に使える資産だが、ほとんど利息がつかない。債券には利息がつき、更に市中金利との差で価格が変動し、投機対象として儲けに使える。また貨幣+債券=資産100とし、どちらかが減ればもう一方が増える関係。

★★☆B §12 貨幣供給
→中央銀行が直接供給した貨幣(ハイパワード・マネー)は貸出後再び市中銀行に預けられ、支払準備率分を除いて再び貸し出される。これを貨幣乗数と呼び、中央銀行は貨幣の直接供給量と準備率を操作して、貨幣の流通量を調整する。

★☆☆C §13 利子率の決定

→利子率rが貨幣需要と供給により決まる理屈を学ぶ(P.167例題)。実質貨幣供給量=一定=縦に垂直。貨幣需要Lは取引需要(一定・垂直)⇔資産需要に分かれ、資産需要分だけ流動性選好説により右下がり。
つまり利子率r↓なら貨幣需要L→。貨幣供給と一致した点に利子率rが決まるのが、貨幣市場の均衡。

☆☆☆B §14 ▲投資の限界効率理論

→投資利益を利子率で表したのが、投資の限界効率。金融政策上は、利子率を下げれば投資が増える。診断士対策上は「財務」「事例Ⅳ」で出題するので、ここは割愛。

★★☆A §15 金融政策の効果
→作成中

☆☆☆A §16 ▲古典派の利子率・貨幣観
→診断士「マクロ」は理論を問わないはずだが、石川の経済の出題頻度は「A」。調査中。

Part 5 IS-LM分析

★★★A§17 IS-LM分析
→ケインズ理論をグラフ1枚で説明するのがIS-LM。国民所得Yを横軸、利子率rを縦軸に取り、財市場均衡のIS曲線は右下がり、貨幣市場均衡のLM曲線は右上がり。両者とも均衡する交点がその経済のYとr。

★★☆A§18 金融政策の効果
→貨幣市場、つまり貨幣供給量L・物価P・利子率rを「均衡」の一言で括る。L↑・P↓で右シフト(正しくは下シフト)と覚えれば問題は解ける。流動性の罠でLM曲線水平の時の動きを暗記。

★★☆A§19 財政政策の効果
→財市場、つまり有効需要の原理や投資I・政府支出G・租税Tを「均衡」の一言で括る。G↑・T↓で右シフトと覚えれば問題は解ける。クラウディング・アウトでのIS曲線の動きと結果、また投資が利子非弾力的→ISが垂直→財政効果超有効と解法暗記。

☆☆☆B§20 ▲公債の経済効果
→中央銀行が公債を買うと、資金供給が増えてインフレ。従い財政法5条は日銀の国債購入を「原則」禁じるが、わざとインフレさせたくて日銀が国債を買っているのが今の日本。読み物程度。

Part 6 AD-AS分析・IAD-IAS分析

→IS-LMでは財市場・貨幣市場の均衡を考えたが、現実では財市場Yが減ると労働力が要らなくなり失業が起きる。失業と物価の関係も考慮するのがAD-AS分析。

★☆☆C§21 労働市場
→直接問われないが、AD-AS分析の前提として労働市場を分析。労働市場はミクロと同じく労働需要と労働供給の交点で決まる。この時、賃金が動いて調整するのが古典派、賃金率下方硬直性により失業が発生するのがケインズ派。

★★☆B§22 AD-AS分析
→横軸に国民所得Y、縦軸に物価Pを取り、総需要AD(財+貨幣市場)と総供給AS(労働)と物価の均衡を考えるのがAD-AS分析。物価P上昇→実質賃金率W/P下落→雇用増・失業解消でAS右上がりとするのがケインズ派。物価に関係なく完全雇用だからAS=垂直とするのが古典派。ここは金融政策・財政政策の効果の解法暗記でOK。

☆☆☆B§23 ▲古典派体系とケインズ派体系
→古典派とケインズ派の思考順の違いを知る。主役はケインズ派で、これまで学んだ通りに財→貨幣→労働市場の順で均衡し、最後に雇用量が動いて失業発生。古典派は国民所得と労働市場が先に動き、物価Pが動いて均衡。

☆☆☆B§24 △インフレの種類と効果
→物価Pの話をしたので、財市場で学んだインフレ/デフレギャップをおさらいし、ついでにコストプッシュとデマンドプルを用語レベルで。通常の年は出題マーク数上限の都合上、出ても1マーク。

☆☆☆B§25 △フィリップス曲線
→インフレの次は失業を押さえる。失業の種類(摩擦・構造・循環)を用語レベルで。失業率が下がると賃金が上がるのは何となくわかる。賃金が上がるとついでに物価が上がる。だから失業対策とインフレ対策は両立しないとするのが物価版フィリップス曲線。面白い論点だがほぼ出ない。

☆☆☆C§26 ▲IAD-IAS分析
→出ない。出ても解かない。

Part 7 IS-LM-BP分析

→海外・為替の影響も考えたい。ただ4市場が同時に動かしたら大変なので、労働市場・物価はお休みし、財市場・貨幣市場⇔為替の関係を分析。

★★☆A§27 国際収支と外国為替レート
→貿易をすると国際収支が発生する。外国為替レートは、超短期・短期・長期で決め方が違う。日本の国際収支が黒字になると、ドル需要が減って円高になり国際収支が一致。だが現実の短期では為替が先に円高となり、輸入額面が下がり一時的に黒字が更に拡大するJカーブ効果まで押さえる。

★★☆B§28 IS-LM-BP分析
→IS-LMでは閉鎖経済の仮定で財政/金融政策の効果を考えたが、国際収支BP(Balance of Payment)、つまり資本移動と為替も考慮し政策効果を考えるのが、マンデル=フレミングの法則。理屈では、IS-LMに水平なBP曲線を描き加え、資本移動・為替・利子率を考慮して、金融政策有効・財政政策無効を理解。そこが解ればあとは表で解ける。

★☆☆B§29 消費
→マクロ経済はケインズ型消費関数が前提だが、長期では当てはまらなくなり論争が起きた。短期⇔長期の消費関数が異なる3つの見解、ライフサイクル仮説・恒常所得仮説・相対所得仮説を用語レベルで暗記。

☆☆☆B§30 △投資
→ケインズの投資の限界効率は、投資収益率が利子率を上回ると投資実行。それ以外の3つの見解、加速度原理・ストック調整原理・トービンのq理論を用語レベルで暗記。

☆☆☆B§31△景気循環
→直接問われない。選択肢にでてくる景気循環の4つの波の名前だけ暗記。

★☆☆A§32 経済成長
→経済が短期的に上下すると景気循環、それを繰り返し長期的に大きくなっていくのが経済成長。新傾向として狙われがちなので、余裕のある範囲で押さえる。

「石川の経済」斜め読みまとめ

「経済」が難しいとされる、皆が苦手と言われるのは。

○もともと難しいことを簡単に説明する工夫が「経済学」。
△わざわざ難しく考え始めたら、そりゃいくらでも難しく。

難しく考えなくていいんだよ。もし迷ったら「石川の経済」が一番わかりやすいよ。この5連発は、そう簡単に説明することが狙いです。

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