おベテの暇つぶしの道具に使われ、世間の役立たずどころかノロマ扱いでしかない、診断士Ⅳ固有の電卓パチパチ勉。その真逆で「Ⅳ」CVP~NPVを猫でも得意化するのが、今回のGW特集5回シリーズ「マンガでわかる管理会計」です。

合格体験記

【合格前からの口述対策(後)】診断士の世界へようこそ~タテが少ないヨコ社会

タテも要るけど、ヨコでつながる。

画像:Bizコンパス

○○政策研究会、××の学校に試験サークルの口述セミナー。ヒヨコに人気の新歓コンパで、まさか試験の話題などしていちゃ周回遅れです。

診断士合格は目的でもゴールでもない、ましてスタートラインですらない。

昨年のたまたま合格先輩にこう説教されて、「うは、こいつらメンド臭っ」。違うよ。試験サークルの人気の理由は同期の対等なヨコのつながりであり、たまたま先輩とのタテ関係なんてクソくらえ。

使えそうな先輩を「1人選び」、尻尾を掴んで離さない。すると最小限のタテ関係で、診断士資格をそれこそ縦横無尽にフル活用。それがこのクソ面白くない国語の試験を「我慢して受かってあげた」メリットです。

そうか、診断士を「確実に受かる」⇔「たまたま受かる」では、スタート地点で彼我の差だな。

はい、だから「2次口述」を200%確実な手応えで通過することが重要です。では昨年取材した「口述試験のリアル」をどうぞ。

【合格前からの口述対策(後)】診断士の世界へようこそ~タテが少ないヨコ社会

昨年の12/17(日)、暖冬の今年からは想像もできないすっかり寒い時期に。口述試験を終えたばかりの最新診断士2名(AさんBさん)に、立教大学そばのカフェで試験直後の感想をお聞きしました。

①「2次口述」ではここが聞かれた座談会

はじめに

司会F:本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。また正式発表前ですが、この度の合格大変おめでとうございます。では自己紹介ををお願いします。
Aさん:私は~。
Bさん:私は~。
正式発表前のため、個人情報割愛。後日公開します。

F:口述試験は、無言でさえなければ全員合格と言われていますね。実際に聞かれた内容や、その回答はどうされましたか?

A:試験官は2人で、5問尋ねられました。4問が標準と聞いていたので、答え方がやや端的すぎたのかもしれません。

B:私も5問でした。「事例Ⅰ」と「Ⅲ」で4問を無難に終えた所で、試験官の1人が、「折角だからもう1問」と仰り、「事例Ⅱ」を急に聞かれたので、少し慌てました。

F:合否というより、「この方なら、これも聞いてみようかな」的な裁量が認められているのでしょうね。具体的な試問はどうでしたか?

A:「事例Ⅱ」から3問、「事例Ⅳ」から2問でした。総じて、事例の出題そのままで、答えやすい内容でした。

「事例Ⅱ」B社について
①B社の競合である大手スーパーの、強み・弱みを教えてください。
②B社の財産である「顧客データベース」をどう活用すると良いですか。
③建築業者と連携するときのターゲットや効果を挙げてください。
「事例Ⅳ」D社について
④D社の収益性が低い原因を教えてください。
⑤D社が子会社と連結決算をする時の、留意点を教えてください。

B:「事例Ⅰ」「Ⅲ」から各2問、そして最後に追加で「Ⅱ」を1つ聞かれました。Aさんのケースと違い、事例の設問そのままよりも、少し捻った変化球であった印象です。

「事例Ⅰ」A社について
①B社の前身であるX社の弱みを教えてください。
②B社が直販店を持たないことの「デメリット」を教えてください。
「事例Ⅲ」C社について
③製造業の現場で、求める人材を確保する施策を教えてください。
④CNC加工機械と関係するCAD・CAMについて説明してください。
「事例Ⅱ」B社について
⑤県庁所在地の百貨店の弱みから、B社の戦略を考えてください。
人により質問内容が異なる。だからここで差はつけない(落とさない)。

F:へぇ、ずいぶん質問内容が違いますね。大手受験校は口述試験の問題を集め、それを分析して翌年の試験対策に役立てるのですが、今年はずいぶん大変そうです。

A:試験官は、手元にあるA4二枚程度の紙を見ながら出題してくれました。あれが想定問答集なのかも知れません。

F:他に資料はありましたか? 「口述では不得意な事例が2つ聞かれる」という噂が昔からあり、すると受験生の個人データが手元にあるのでしょう。

A:さすがにそこまで覗くわけには(笑)。でも私の合格は「Ⅳ」高得点のお蔭と思っていますが、「Ⅳ」を聞かれました。

B:印象ですが、受験者1人につき一枚の紙が手元にあるのでは。中身はわかりませんが。

F:1人あたり10分で次々に受験者を捌く以上、口頭質疑中に採点や寸評を済ませるのでしょうね。「落とすための試験」でなく、何か別の狙いがあってやっている。そう捉えるのが自然でしょう。

②「事例Ⅰ~Ⅲ」の試験傾向が変化した?最新合格者の準備と実際

最新合格者の「2次」準備と結果。

F:「2次口述」は何を狙ってあの手間暇をかけるのか。その議論はまた別として、来年受験する方の関心が高い、「2次への準備と本番の対応」を教えてください。

A:個人的な事情があり、「2次」対策は9月上旬からやっと始めました。完全独学なので、TAC2次模試やふぞろいなど、一般的な「2次」対策を試すのですが、そこにある模範解答に違和感があり、少し悩みました。

F:それでどう対処したのですか?

A:受験参考書にある「2次」の一般的な勉強法や解き方をなぞるより、「1次」7科目の知識を適切に使えば勝てる。そちらに切り替えました。過去問は3年分しかできなかったのですが、過去問の傾向や出題形式だけに囚われない効果はあったようです。

出題傾向の変化としては、「字数の増加」の影響が大きいでしょう。わずか80分で、(それらしい)妥当な回答を書いて提出する。それには自分なりの「解答の型」が必要ですが、字数が増えると大変です。他の方はどうしているのでしょうね。

初学者でもできる事例の答え方

B:事例の回答で、「結論先出し」は欠かせないでしょう。採点者に冒頭の1文で「おや、コイツは分かっているな」「では続きも読んでやるか」。そう思ってもらうことが大切なはずです。

F:ネットで見かけたあるスクールの「事例Ⅰ」解説動画では、第5問の長文160字マス目に苦労した方が多いとの指摘がありました。必要なコトは書いたのにマス目が余る。そこに何かトラップがあった様です。

A:私は30~40字を1文で書くので、160字なら4~5センテンス必要と考えて回答を作る様にしました。

F:はい、そのやり方はだいぶ定着していますね。そうやって周囲の書き方が揃ってくるほど、より読みやすく、採点しやすい。市販の参考書でこの辺りの研究は進んでいます。ではBさんの「2次」対策はいかがでしたか?

独学か通学か。通学先を正しく選ぶと正しい形を学べる。

B:「2次」は一発合格ですが、「1次」は「情報」「法務」の難化年にあたり3回受けたので、「2次」対策も十分な時間を掛けました。

F:独学ですか?通学ですか?

B:「1次」は独学ですが、「2次」は2016年にTBC通学、2017年は独学です。過去問は10年分使って対策しました。試験が問う本質は変わりませんが、上位20%を振り分けるため、表面上の変化はあると思います。

F:「2次」で上位20%に入る条件や目安は何でしょうか?

B:私は模試の点数(TACやTBC)を目安にしました。模試の得点では、安定して上位1ケタは取っていますが、ここ最近の本試験はどうにでも書けてしまう「類推度」が上がっている印象です。

F:Aさんが指摘した「文字数の増加」と関係する。つまり特定の正解でなく、自由になんでも書けてしまうのでしょうか?

B:いえ、違います。試験委員が予め用意した題意に沿った回答は欠かせません。でも単なる与件の切り貼りコピペでなく、「足りない何かを自分で補う」。その類推力が点差になるような印象です。

③「2次」の傾向変化について

最新診断士2名が語る。「2次」ってどんな試験?

F:「2次」対策の最新情報ありがとうございます。この後、具体的な内容や現場対応の話に進みますが、ここで一旦「2次試験とは何か」「どう対応すべきか」のご意見をいただけますか?

A:「医者」の認定に近い。私はそう考えます。企業経営に対するアドバイスは様々な内容があって良い。ただし必要最低限の標準はクリア済。「2次」合格とは、そのお墨付きを中小企業庁に与えてもらえたと言うことですよね。

B:それに加え「適性検査」の意味があると思います。

A:具体的には、試験委員が「聞きたいコト」を正確に捉えられるか。ここが最初のポイントですね。ただ某所の「口述対策セミナー」に参加したのですが、案外的外れの回答をする方が多い。あれ、これで合格させるの?少し不安になりますね。

F:これは手厳しいですね。補足しますと、「2次」は筆記なので、既にビジネス経験が豊かな方を除けば、口頭試問の対応力は「合格後の実戦で磨く」もの。実際に合格した方を見ると、相談したり・されたりを通じ、メキメキ実力を上げる。ここはすぐ実感されると思います。

B:80分間では解けない量の試験ですね。もっと長文の資格試験を受けたことがあり、個人的にはこの程度の文章量は苦労しませんが、不慣れな方は大変でしょう。

80分では解けない試験。さらにその傾向は毎年変化。

F:「事例Ⅰ~Ⅲ」で問われる内容がクロスオーバーする傾向が強まり、類推が求められる上に、一見なんでも書けてしまう。この点はどう対応するのでしょうか。

A:受験指導にある「解答の一貫性」というのはアリと思います。ただそれもそうですが、7科目の「1次」知識を体系的に押さえておく。そうすれば2次「事例」の回答方向性がブレることはないでしょう。

F:おや、いよいよ話題が核心に向いてきました。さて今日のお二人の話を伺っていると、難化・変化する「2次」筆記を一回で合格する方には、「ある共通点」がある印象があります。では続きをどうぞ。

今日のまとめ

診断士試験は、なぜ技術が毎年イノベーション?

A:タテ型社会の旧弊がなく、緩やかなヨコの連携が広いから。

クッソ、昨年学んだ「戦略論」「組織論」の知識をこんな所でも使いやがって。でもでも、技術は毎年イノベーション。口述想定問答とは、セミナー参加特典で貰ってヒャッハーより、自分で作ってスラスラ回答する時代です。

それをネットで無償公開すると、続く【2019年合格目標】の方々の学習効率が向上し、試験がますますイノベーション。この試験、「あぁ、やはり今年で合格しておいて良かった」なのです。

■■ここからテンプレ■■

ベテやふぞが過去問の答を必死に覚えてその小さなオツムを固くする隣で、柔軟な話題にさっと答えてタイムマネジメント力をダダ上げする【過去問RTA】。世間の誰も気づかぬ内に、今年R6の「2次」対策は既に春爛漫の満開モードです。

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