【財務】過去問タテ解き #4企業財務論

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なぜMM理論は毎年2マーク出題?

注)2016年「財務」では出題なし

George Herbert Leigh Mallory
1886-1924 イギリスの登山家 出典:Wikipedia

A:出題領域表に載っているから

マロリーは、エベレスト初登頂を目指した不遇の死の前にこう言った。そこに山があるから。

MM理論~答えだけ覚える

MM理論(Wikipedia)
完全市場を仮定すれば、企業の資本構成および配当政策は企業価値に影響を与えないという定理であり、またMM理論は完全市場を前提とする理論であることから、完全市場でない現実の市場においては、資本構成や配当政策は企業価値に影響を与えるとされる。

はい、なんだか良くわからない。
考えれば考えるほどわからない。

そもそも「法人税がない仮定」とか、使い道が不明だし。

MM理論が時に捨て問と誤解されるのは、財務レバレッジ、ROEの公式のごとく借金バンザイ~

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のファイナンスにおいて、

資本構成や配当政策による小手先の企業価値向上など、意味なくね?

と周囲が嫌がる発言するから。だがさすがノーベル賞。いつもと逆で、理屈の理解はあきらめ、結論の答えだけ覚えて大活躍。

H23第17問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。なお、以下では、市場は完全で、税金や取引コストは存在しないものとする。E社では現在、今期の配当政策を検討中である。E社は、全額自己資本からなる企業で今期末において現金1,000万円と固定資産9,000万円を保有している。E社の固定資産からは毎期900万円の営業利益があげられており、次期以降も同額の営業利益が期待されている。E社では減価償却費を営業活動維持のために全額設備投資にあてており、また運転資本の増減もなく、減価償却費以外の費用はすべて現金支出であるため、上記の営業利益はフリーキャッシュフローに一致する。E社の現在の株価は100円であり、発行済み株式数は100万株である。
(設問2) Dランク
E社が現在保有する現金を全額配当した場合、配当支払後の株価を説明する記述として、最も適切なものはどれか。
○ア 現金配当を行った場合、株価は配当前と配当後で変化しない。
×イ 現金配当を行った場合、株価は配当前と比較して10円下落する。
×ウ 現金配当を行った場合、株価は配当前と比較して10円上昇する。
×エ 現金配当を行った場合、株価は配当前と比較して20円上昇する。

当問は理屈でなく暗記問題。「MMの配当無関連説」(配当政策では株主価値は変化しない)を、知ってるか知らないかが題意で、知らなきゃ考えるだけムダ。

H24第17問

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。現在、X社は総資本10億円(時価ベース)の全額を株主資本で調達して事業活動を行っており、その税引前総資本営業利益率は12%である。また、ここでの税引前営業利益は税引前当期利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。X社は今後の事業活動において、負債の調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と株主資本との割合を4:6に変化させることを検討しており、その影響について議論している。
(設問2) Dランク
完全市場において法人税のみが存在する場合、X社がが資本構成を変化させることで、企業全体の価値にどのような影響があるか。最も適切なものを選べ。なお、実効税率は40%である。
×ア 2,400万円企業価値が減少する。
×イ 2,400万円企業価値が上昇する。
×ウ 16,000万円企業価値が減少する。
○エ 16,000万円企業価値が上昇する。

当問も理屈でなく暗記問題。「MMの修正命題」(法人税がある場合、負債額×税率分だけ企業価値向上)を、知ってるか否かが問われる。

理詰め理詰めのファイナンスで、最後に突然「答えだけ覚えろ」と言われて面食らうのは当然。だが答え覚えれば解けるから、理解したけりゃ試験の後に好きなだけ。

今日のタテ解き

企業価値=FCF/WACCこの式覚えると、ファイナンスを巡る長旅がゴール。そして以下の2行が診断士「ファイナンス」の全体像。

  • 証券投資論(昨日):WACC←CAPM←β←リスク・リターンの親子関係
  • 企業財務論:企業価値(DCF法)←FCF/WACC←CAPMの親子関係

Sランク論点

【2016年合格目標】【会計・財務】スピテキ斜め読み#4
・資金調達意思決定
・企業価値の最大化と株価の最大化
・株式価値の計算、負債価値の計算
・株式の期待収益率
・ゼロ成長モデル、定率成長モデル
・フリーキャッシュフロー(FCF)
・加重平均資本コスト(WACC)
・企業価値の計算、継続価値(永続価値)の計算

株式指標→H23第20問(1)B、(3)B、H24第20問(C)(E)、H25第20問(B)(B)、H26第20問(1)E、(2)A
WACC→H23第16問(D)、H24第16問(E)、H25第14問(B)、H26第20問(B)、H27第14問(B)
資金調達→H23第14問(A)、第15問(C)、H24第15問(C)、
MM理論→H23第17問(D)(D)、H24第17問(D)(C)、H25第15問(C)、H26第15問(C)(B)、H27第13問(A)(A)

ところがDCF法、つまり企業価値=FCF/WACCで求める出題は、「財務」過去問5年分に良問がない。そこで「事例Ⅳ」から拝借。

H24「事例Ⅳ」第3問(設問1)

承継先にかかわらず、売却価格の算定に際しては、客観的な数値が必要となる。そこで、今年度の財務諸表をもとに企業価値を求めることになった。割引キャッシュフロー法を用いて、企業価値を求めよ。ただし、算定にあたっては、(以下略)。

解答例→ 【事例IV】事例IVのことは忘れる

当シリーズの最初に書いたが、「財務」「事例Ⅳ」得点能力差とは、実務適応力=起きた事象をどの論点を使って解決するかの力。「1次」問題集の回転暗記だけではカバーできず、1次対策を兼ね2次「事例Ⅳ」対策済なら、その分有利。

株式指標

ABランクばかり。ここは過去問解いて暗記で良いのでパス。

WACC

明日の「証券投資論」でカバーするのでパス。

資金調達

H23第15問 Cランク

内部金融に関する記述として、最も適切なものはどれか。
×ア 内部金融とは、企業の事業活動によって獲得された自己資本調達であり、利益の内部留保、企業間信用などから構成される。
×イ 内部金融とは、企業の事業活動によって獲得された他人資本調達であり、減価償却、ファイナンス・リースなどから構成される。
×ウ 内部金融とは、企業の事業活動によって獲得された短期資金調達であり、減価償却、企業間信用などから構成される。
○エ 内部金融とは、企業の事業活動によって獲得されたで長期資金調達であり、利益の内部留保、減価償却などから構成される。

問題集回転が主体の診断士学習では、知識・理論問題には対処できない。できれば知っておきたい論点だが、知ってる人は取り、知らない人は鉛筆転がす。

H23第15問 Cランク

C社は現在、普通社債の発行を検討している。この社債は額面100円に対するクーポンレート4%(1年後より年1回支払)、償還期限5年である。C社ではこの社債の目標資本コストを6%としたいと考えている。このときC社はこの社債をいくらで発行すべきか。最も適切な金額を下記の解答群から選べ。ただし、税金は考えず、小数点第1位以下は四捨五入するものとする。

複利現価係数(6%、5年) 0.75
年金現価係数(6%、5年) 4.21

×ア 75円
×イ 79円
×ウ 80円
○エ 92円

これは社債の問題。題意としては、年4円のクーポン利回りと最終年の100円償還額の現在価値を聞く。だが正答率Cランク(=75~80円を選んだ人が半数)とは、社債の問題など知らなくて当然ということ。1次で周囲が知らない問題を当てる必要はないから、社債は捨て問。

今日のまとめ

株式指標やWACC計算問題は、解法覚えてかつ理解を増やすが、余計な知識問題は深追いしない。正答率ランクを使った過去問タテ解きは、今この時期やればやるほど収穫逓増実力UP。

なお、「財務」→MM理論、「経済」→マンデル=フレミングの様に、難解でちょっとやそっとじゃ太刀打ちできない分野最高峰の知識を、「エベレスト論点」と呼ぶ。普通の人では登れないから、初登頂の名誉は誰の手に?ではまとめ。

  • MM理論は、出題領域表に載っているため毎年2マーク出題。
  • MM理論は、配当無関連説、修正命題など結論だけ覚えておく。
  • 企業価値=FCF/WACCが本日の結論。ただし過去問では直接出ない。
  • 企業価値←FCF/WACC←CAPM←β←リスク・リターンで理解がつながる。

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